KM Kindergarten and Nursery

子どもの運動量アップと、地域産業の要素を取り込むことを目指した空間

デザインコンセプト
担当:HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro

大阪の南部にある、老朽化した保育園の改築事例です。この地域は古くから織物が地域産業として栄えてきた街です。しかし現在は、安い労働力の外国に仕事が移管し、地域産業が衰退化している状況です。

今回の計画において、私たちは2つのテーマを設定しました。ひとつは、計画地が狭小なため、子どもたちの運動不足を日常活動の中で解消すること。もうひとつは、子どもたちに地域のことを学び知ってもらうために、地域産業である織物の要素を取り込むこととしました。

具体的には、狭小な敷地の中で運動量を増やすには、走り回れる環境やデコボコのある環境をつくり、園舎は中庭を囲うように配置して、1階から屋根に向かって登っていける坂道を設けました。これによって、駆けっこをしながらいつの間にか屋根に登ったり、そのままグルッと走って階段を下りれば再び中庭に戻れたりと、回遊性を持たせることで子どもたちの運動量を飛躍的に向上させました。

地域産業である織物については、デザインモチーフのひとつとし、柔らかい手触りや素材の質感が感じられるように建材として使用しました。サインに布地を使ったり、カーペットを壁面に貼って、子どもたちが遊びにも使えるような工夫をしました。

設計 HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro
敷地 4229.96m2
建築面積 799.38m2
延床面積 1224.44m2
撮影 Studio Bauhaus / Ryuji Inoue