ふじのくに地球環境史ミュージアム

学校環境を活かした、「学び、考える場」を提供する思考型の博物館

デザインコンセプト
担当:石河孝浩、篠原宏一/株式会社丹青社

静岡県として初の自然系博物館であり、全国初となる地球環境史をテーマにした博物館を、廃校となった県立高等学校のリノベーションによって整備した。

「地球環境史」とは、人と自然の関わりの歴史である。その歴史を学び、「未来の豊かさとは何か」を考え、豊かな人間性を育む場となることを目指している。そのため知識の獲得を主眼とした展示ではなく、校舎に残る「学び、考える場」の記憶を蘇らせ、自ら考え、行動の実践に導くという新しいタイプの博物館「思考型のミュージアム」となっている。

展示室である各教室では、学校当時に使用された学習机や椅子、黒板などの要素を活用・再構成。これらを背中合わせにしたり傾けたりと、通常とは異なる使い方や配置で展開した。「ふじのくにの海」や「生命のかたち」など、各室のテーマに即したデザインを施すことにより、新たな意味を考えるきっかけとしている。

また、展示テーマをシンボル化したサインを廊下で展開。アクセントを持たせるとともに、来館者へのメッセージ性を高めた。展示空間とグラフィックの一体的なデザインにより、ミュージアム全体で「思考を促す」ことを試みた。

所在地 静岡県静岡市駿河区大谷5762
事業主 静岡県
ディレクション 加藤剛/株式会社丹青社
デザイン 石河孝浩/株式会社丹青社
プランニング 篠原宏一/株式会社丹青社
グラフィック・サインデザイン 氏デザイン
展示アドバイザー 洪恒夫/東京大学総合研究博物館
撮影 ナカサ&パートナーズ