テーマは「海の復権」、来春より総計108日間にわたって開催「瀬戸内国際芸術祭2016」

撮影:中村脩

「海の復権」をテーマに掲げ、2010年から始まった「瀬戸内国際芸術祭」。現代アートの作家や建築家と島に暮らす人々の協働によって、そこでしか見ることのできない数々の作品が生まれた。また、瀬戸内国際芸術祭実行委員会による「瀬戸内国際芸術祭の開催による地域再生の取組」が、第1回「ジャパン・ツーリズム・アワード」の大賞を受賞するなど、瀬戸内の島々の魅力をアートという切り口で発信し、「瀬戸内国際芸術祭」のブランド化にも成功している。

来る2016年3月20日に3回目の開催を迎える、「瀬戸内国際芸術祭2016」の企画発表会が日本橋三井ホールで行われた。

瀬戸内国際芸術祭総合ディレクターの北川フラム氏

瀬戸内国際芸術祭総合ディレクターの北川フラム氏

第3回目となる芸術祭では、会場と会期は第2回芸術祭を基本的に踏襲している。直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春)、本島(秋)、高見島(秋)、粟島(秋)、伊吹島(秋)、高松港周辺、宇野港周辺、12島14会場で展開。

会期は下記の3シーズンに分けて総計108日間にわたって開催される。

(春)2016年3月20日〜4月17日
(夏)2016年7月18日〜9月4日
(秋)2016年10月8日〜11月6日

企画発表会では、「大地の芸術祭」にも参加した切腹ピストルズによる和楽器の演奏が行われた

企画発表会では、「大地の芸術祭」にも参加した切腹ピストルズによる和楽器の演奏が行われた

切腹ピストルズの演奏に合わせて、国際的に活躍するパフォーミンググループ、スナッフ・パペッツ(オーストラリア)の巨大人形も登場

切腹ピストルズの演奏に合わせて、国際的に活躍するパフォーミンググループ、スナッフ・パペッツ(オーストラリア)の巨大人形も登場

今回の基本方針は以下のとおり。

・アジア ―海のつながり―
「瀬戸内国際芸術祭」は単なる美術の催しとしてではなく、日本を代表する地域発の催し物・地域づくりとして評価されだしている。海でつながるアジア各国の国と地域と、協働して考えていく場としての役割を果たしていく。

・生活文化の基本 ―食―
瀬戸内の新鮮で豊かな食材、また食に代表される島の文化や生活など、地域の魅力を強力に発信する。

・地域文化の独自性発信
香川県や瀬戸内が全国に誇る文化の魅力、地域の祭りや特産品など、そこで生まれてきた文化や歴史を発信する事業と連携。そこに現代美術が関わることによって地域の空間と時間を立ち現す。

瀬戸内の郷土料理、、押し寿司

瀬戸内の郷土料理、押し寿司

スナッフ・パペッツのメンバーからもオリーブ豚がふるまわれた

スナッフ・パペッツのメンバーから、オリーブ豚がふるまわれた

2016年10月21日時点で決定している、「瀬戸内国際芸術祭2016」の新規作品を出展する作家を何組か挙げると、藤本壮介氏、大竹伸朗氏、スプツニ子!氏、依田洋一郎朗氏、ナウィン・ラワンチャイクン氏、大岩オスカール氏、レジーナ・シルベイラ氏、コシノジュンコ氏、ワン・ウェンチー氏、スナッフ・パペッツ、アレクサンドル・ポノマリョフ氏、ツェ・スーメイ氏、リン・シュンロン氏、切腹ピストルズ…などなどすべてを列挙するのが困難なほど、錚々たる顔ぶれがそろった。

メインビジュアルは原研哉氏が担当。島々を行きかう船がモチーフ

メインビジュアルは原研哉氏が担当。島々を行きかう船がモチーフ

ひとつでも多くの島と作品を巡ってもらうとともに、作品鑑賞料の負担軽減と煩雑さを解消するため、今回から作品鑑賞パスポートの種類は3シーズン共通の1種となった。また、各島への周遊性を高めるため、既存航路の増便および臨時航路の開設も図られる。「芸術祭フェリー限定3日乗船券(仮称)」も導入される。

開幕まであと5ヶ月を切った、「瀬戸内国際芸術祭2016」。これから追加情報が増えてくると思われるが、現時点ですでに期待値はかなり高い。いまから来年のスケジュールに組み込んでおいてはいかがだろうか。

瀬戸内国際芸術祭2016
http://setouchi-artfest.jp/