そもそも「LUMINE meets ART AWARD」ってなに…?
「LUMINE meets ART AWARD」は、2013年にはじまり、今回で3回目の開催となるアート公募企画です。エレベーター部門、ウィンドウ部門、インスタレーション部門、映像部門という4つの部門があり、審査の結果、選ばれた作品はルミネ新宿とルミネエスト新宿で展示することができます。
今回の応募総数は670点。グランプリ1名、準グランプリ1名、ルミネ賞1名、入賞3名、映像部門次点1名が選ばれました。全7作品の中からインパクトが大きかったものを紹介します。
■グランプリ「de Lempicka」飯沼英樹さん
(展示場所:ルミネ新宿 ルミネ2・2F スタニングルアー前)
20世紀初頭にフランスで活躍した女性画家、タマラ・ド・レンピッカからインスピレーションを得た木彫作品。立ち姿の女性像を中心に、さまざまなファッションに身をつつんだ女性像がはなやかに空間を飾ります。男性中心の美術界で、タマラ・ド・レンピッカは持ち前の美貌と人間性の魅力によって社交界に君臨しました。その強い女性像は、現代の日本社会を生きる力強い女性たちの姿に重なります。
■準グランプリ「恋マシーン」タムラサトルさん
(展示場所:ルミネ新宿 ルミネ2・1F ロクシタン横ウィンドウ)
機械のパーツと極太のチェーンが恋という形に組み立てられ、字に沿って動く作品。恋というイメージと真逆にあるような、力強い素材を使っているのが印象的です。機械は本来、何か仕事をするために作られますが、この「恋マシーン」は、何も仕事をしません。ただ恋という形に動くだけのナンセンスさが面白いと思い、作られた作品だそう。
■入賞「Ebb–Ripple」風間天心さん
(展示場所:ルミネ新宿 ルミネ2・2F サラべス横ウィンドウ)
ウィンドウ一面が色とりどりの「水引(みずひき)」で装飾された作品。作者はアーティスト兼僧侶の風間さん。日本人独自の“こころ”が反映されているという水引を素材にまで還元し、西洋絵画として再アレンジしたものです。水引という文化を絵やテキスタイルのように表現し、次の時代へ残したいという作者の思いがこもっています。
■入賞「A WOMAN IN A FASHION BUILDING」奥田昌輝さん
(展示場所:ルミネエスト新宿 新宿東口ロータリー前デジタルサイネージ)
映像部門の入賞作品。ファッションビルにやってきた、女性の欲望と妄想と現実が詰まっています。あれもこれも欲しい、あそこへ行きたい、お腹が空いた。そんなありふれた女性のファッションビルでの欲望と妄想が描かれています。
また、今年からゲストアーティストの作品も展示されることになり、今回は審査員でもある、アーティスト・舘鼻則孝さんの作品が展示されています。
■ゲストアーティスト展示「JUNK SILVER INSTALLATION」舘鼻則孝さん
(展示場所:ルミネ新宿 ルミネ2・2F ジル スチュアート前)
舘鼻さんの代表作である「ヒールレスシューズ」を使ったインスタレーション作品。海外のファッション業界でも話題のヒールレスシューズ3点が半透明な箱型のバルーンに包まれています。バルーンの中できらきらと輝く靴は手仕事で作られたあと、工業用の純銀塗装がほどこされています。もともとヒールレスシューズは花魁の高下駄から発想を得た靴で、日本独自の文化と西洋の文化が合わさってつくられました。
審査と展示について舘鼻さんは、「アートを心から好きな人の応募が多かった印象です。そういう方と一緒に自分の作品を展示でき、素直にうれしいと思っています」と、話してくれました。
受賞作品はどれもダイナミックで、オリジナリティあふれるものばかり。美術館やギャラリーに行くとなると少し尻込みしてしまう人や、アートにまったく関心のない人。いろいろな人が集まる場所だからこそ、受賞者にとっては良いチャンスに、そして、ショッピングに訪れる人にとっても新しい出会いになるかもしれません。
日時:2016年2月1日(月)~3月9日(水) 11:00~22:00
会場:ルミネ新宿、ルミネエスト新宿
http://www.lumine.ne.jp/lma/index.html
(写真4~5、7、9、11枚目:Kazuo Yoshida)