ルミネを通じて新たな才能と出会う「LUMINE meets ART AWARD 2020-2021 The Award Winner’s Exhibition」が6月13日まで開催
ルミネ・ニュウマン館内に展示するアート作品を募集する公募企画「LUMINE meets ART AWARD 2020-2021」の受賞作品展が、5月31日から6月13日まで開催されている。
2013年に若手アーティストの発掘と支援を目的にスタートした、「LUMINE meets ART AWARD(以下、LMAA)」。8回目を迎える今回は、2020年10月1日から2021年1月4日までの期間に作品募集が行われた。計461点の応募の中から、グランプリは菊池和晃さんによる「<Draw the City>」、準グランプリは星野陽子さんの「SALVATION MOUNTAIN CITY」に決定。今回から新設されたオーディエンス賞には、市川大翔さんの「Life Line」が選ばれた。
京都を拠点に美術家として活動している、菊池和晃さん。肉体を酷使することで稼働する装置をつくり、その装置を使って美術史から引用したイメージを生産している。グランプリを受賞したのはいろいろな街を描く作品シリーズで、今回は新宿の歌舞伎町をモチーフにしている。菊池さんは作品のために専用のマシンをつくり、ハンドルを回すことで9枚の鉄板に色を塗っており、本作では1枚に約1,500回ハンドルを回すことで街を描いた。
菊池さんは「<Draw the City>」について、「僕たちが生活している都市は、権力のある方からするとただの資本の生産装置であって、僕たちもただそこにいる労力のひとつなのか、それとも僕たちの創造行為の蓄積でできあがったものなのか、あるいは両方が関係したり抵抗しあったりしてできているのか、そういったことを考察しようと思い、都市を描くことにしました」と、話す。
自分の作品がショーウィンドウで映えるかどうかわからなかったこともあり、嬉しいながらも「僕でいいのかな?」というのが率直な感想だったという菊池さん。「いつも展示する場所は僕のことを知っている人や、そもそもアート作品を目的に見に来る人がほとんどですが、LMAAでは普段とはちがう場所に自分の作品を投げ込むことになるので、どういう反応があるのか楽しみです」と、話した。
準グランプリを受賞したのは、身の回りの日用品や衣類が重なる様子をダイナミックなスケール感で捉え、その素材の持つ色や形を利用しながら絵画・インスタレーションを制作している星野陽子さん。今回は砂漠に突如現れたカラフルな砂の丘「サルベーションマウンテン」をモチーフに、そこに近未来的な都市イメージを重ねたインスタレーションを制作。ルミネのショーウィンドウ内に設置された半立体の絵画作品として展示している。
受賞作品について星野さんは、「基本的に、自分のドローイングをもとにして『この緑色のラインは、立体にするなら何の素材でつくるか?』と考えてインスタレーションを制作しているので、実際に見てくれる方にもこのパイプは絵のどの部分なんだろう?と、絵とインスタレーションをくらべて楽しんでもらえると嬉しいです」と、話した。
また、ニュウマン横浜で展示されているのは、オーディエンス賞を受賞した市川大翔さんの「Life Line」。日常のシーンを切り取った絵をネオンサインによって表現した作品だ。
なお、今回の受賞作品展では、受賞作品3点に加え、審査員が推薦するアーティストの小出ナオキさん、Tired Of、平山昌尚さん、森貴之さんの4名の作品もルミネ・ニュウマンのウィンドウを飾っている。
■「LUMINE meets ART AWARD 2020-2021 The Award Winner’s Exhibition」
会期:2021年5月31日(月)~6月13日(日)
会場:ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ニュウマン新宿、ニュウマン横浜
https://www.lumine.ne.jp/lmap/award/20210531/exhibition-2021/