見たい、知りたい!今月のイベント―2019年12月

見たい、知りたい!今月のイベント―2019年12月

12月に入り、今年も残すところ1カ月を切りました。昨年も同様の文章を書いていたと思うのですが、1年はあっという間ですね…。早いもので本企画もゆるりと1周年を迎えました。

今月は、ファッションに関する展覧会を中心に、年内中に行っておきたいイベントをご紹介します!

Creation Project 2019 167人のクリエイターと京都の職人がつくる 「ふろしき百花店」

銀座にある2つのギャラリー、クリエイションギャラリー G8とガーディアン・ガーデンにて、167人のクリエイターと京都の職人のコラボレーションによる、オリジナルの風呂敷の展覧会が12月21日まで開催中です。

参加クリエイターはデザイナーやイラストレーター、アーティストなどさまざまで、イラストを大胆に描いたものや、伝統的な絵柄をモチーフにしたものなど、多種多様な風呂敷が勢ぞろい。風呂敷はそれぞれ伝統的な手捺染の手法でひとつひとつ染められています。

展示作品はチャリティー販売され、収益金は未来を担う子どもたちの支援のために寄付されます。2つの会場でそれぞれ展示作品が異なるため、はしごしてお気に入りの1枚を見つけてみるのもいいかもしれません。

会期:2019年11月26日(火)~2019年12月21日(土)
場所:クリエイションギャラリーG8、ガーディアン・ガーデン
http://rcc.recruit.co.jp/creationproject/2019/

舘鼻則孝「It’s always the others who die」

銀座のポーラ ミュージアム アネックスで開催されている、アーティスト・舘鼻則孝さんによる展覧会「It’s always the others who die」。本展は、舘鼻さんの代名詞でもある、花魁の履く下駄がモチーフの「ヒールレスシューズ」のほか、新作20点で構成されています。

舘鼻さんの作品群は、日本独特の文化から着想を得て、それを現代において再定義することで、新たな視点や世界観を表現しています。また、緻密な手仕事で仕上げられ、工芸的な要素を持ち合わせていることも特徴のひとつ。

ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、世界でも著名な美術館に作品が収蔵されていることでも知られている舘鼻さんの作品が見られる貴重な機会です。また、会場のビル1階ウィンドウでは展示と連動したディスプレイも展開しているので、展示と合わせて世界観を楽しんでください。

会期:2019年11月22日(金)~2019年12月22日(日)
場所:ポーラ ミュージアム アネックス
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html

㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画

デザインの過程で生み出されるスケッチや図面にフォーカスをあてた企画展「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」が、21_21 DESIGN SIGHTで来年3月8日まで開催しています。

本展に参加しているのは、展覧会ディレクターを務めるTakramのデザインエンジニア田川欣哉さんのほか、深澤直人さん、原研哉さんなど、日本デザインコミッティーに現在所属するメンバー全員。本展は、1953年の設立以来、日本のデザインに貢献してきた日本デザインコミッティーのメンバーたちがデザインの過程で生み出してきた、ふだんは見ることのできないスケッチ、図面、模型の数々が間近で見られる貴重な機会です。

会場では、メンバーたちの個性や世代、分野によって異なる「原画」を中心に、それらが描き出されるところを収めた映像や、新旧メンバーの著書を通して、デザイナーたちの思考プロセスを垣間見ることができます。また、日本デザインコミッティーの現在に至るまでの活動を紹介し、日本のデザインの歩みを振り返ります。

さらに公式サイトでは、日本デザインコミッティーの現メンバー全員にインタビューした内容をポッドキャストで配信するなど、展覧会の枠組みを超えた情報発信を積極的に行っています。

会期:2019年11月22日(金)~ 2020年3月8日(日)
場所:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
http://www.2121designsight.jp/program/inspiration/

第223回企画展 GRAPHIC WEST8: 三重野龍 大全 2011-2019 「屁理屈」

グラフィックデザイナー・三重野龍さんの展覧会『第223回企画展 GRAPHIC WEST8: 三重野龍 大全 2011-2019 「屁理屈」』が、京都dddギャラリーにて12月21日まで開催中です。

三重野さんは、京都を中心にフリーのグラフィックデザイナーとして活躍するほか、デザイングッズショップ兼ギャラリー「VOU/棒」の運営やパフォーマンス活動を行うなど、デザインとアートの垣根を超えて活躍しています。

自らの作品が動植物の色や形、それらの生息環境に影響を受けていると述べる三重野さん。本展では、カフェのロゴから公立美術館の展覧会告知ツールまで多岐にわたる三重野さんのバイタリティあふれるデザインワークを、一挙に見ることができます。

会期:2019年11月09日(土)~12月21日(土)
場所:京都dddギャラリー
http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/

着る47展

「ファッション」をテーマに47都道府県の衣服、靴、鞄、アクセサリーなどを紹介しながら販売する、マーケット型の展覧会「着る47展」。渋谷ヒカリエのd47MUSEUMで来年3月21日まで開催されている同展は、さまざまなテーマで47都道府県の個性を紹介してきた企画の26回目です。

着る47展

「ファッション」から47都道府県を見ると、織り・染め・縫製など、その土地で長くつづいてきた伝統技術や産業をはじめ、革や竹など、その土地ならではの素材を活かしたものづくりや、気候風土から生まれる形や柄の様式、世界に注目される素材や技術の開発など、さまざまな“その土地らしさ”の存在を感じます。

自分の出身県や、旅行で訪れたことがある県など、ぜひ会場でものづくりの視点から県の魅力を知ってください。

会期:2019年12月6日(金)~2020年3月2日(月)
場所:d47 MUSEUM
http://www.hikarie8.com/d47museum/2019/11/47-49.shtml

津村耕佑「鱗と神経」展

ファッションデザイナー/アーティストの津村耕佑さんによる展示が、11月にリニューアルオープンした渋谷PARCO内のセレクトショップ「Meets by NADiff」の一角で12月22日まで開催しています。

津村さんは、“都市型サバイバルウェア”として「FINAL HOME」プロジェクトを発表以来、ファッションの既成概念を打ち破るアイデアとクリエイションで話題をさらってきました。

本展では、「生命体の基本単位である細胞は、増殖と死滅を繰り返し様々な部位へと変化する」という細胞の生成変化にインスパイアされた「Puzzle Wear」というプロジェクトを作品の基礎に、新しく生まれ変わる/ 変わり続ける渋谷という都市像をテーマにした新作インスタレーションを発表します。

会期:2019年11月22日(金)~2019年12月22日(日)
場所:Meets by NADiff
http://www.nadiff.com/?p=15973

忙しさのためか、すぐ過ぎ去ってしまう年末ですが、「行こうかな…」と思っている展覧会があれば今年のうちに思い切って行ってみてはいかがでしょうか? 来年も引き続き本企画をお楽しみに!

タイトルデザイン:akira muracco 構成:石田織座(JDN)