見たい、知りたい!今月のイベント―2019年11月

見たい、知りたい!今月のイベント―2019年11月

「年末」という言葉が頭をよぎったり、話題にあがり始める時期。今年中にやり残したことはないかと焦ってきた人もいるのではないでしょうか?(私もその一人です…)。

今月は、会期が短いけど、逃してほしくないイベントを中心にご紹介します。それぞれ、物欲や創作意欲など“欲”を刺激されるものばかりです…!

もじFes.

11月16日・17日の2日間に渋谷キャストで開催される「もじFes.」は、フォント製作会社のフォントワークス25周年と、そのフラグシップである筑紫書体の15周年を記念して行われる、世にもめずらしい、文字のフェスティバルです。

合言葉は「もじと、もっと、じゆうに」。

もじFes.

マーケットや展示、ワークショップなど、大人も子どもも一緒になって文字を見たり・聞いたり・触れたり・食べたりと、文字と自由に楽しめる催しが満載です。会期は2日と短いですが、文字好きの「文字っ子」が集まり、密度の濃いイベントになる予感。

会期:2019年11月16日(土)・11月17日(日)
場所:渋谷キャスト ガーデン(屋外)、スペース(1F 屋内)
https://mojifes.fontworks.co.jp/

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく

信頼とも呼べるような絶大な人気を誇るファッション・テキスタイルブランド「ミナ ペルホネン」の展覧会が、東京・江東区の東京都現代美術館で11月16日から2月16日まで開催します。

ミナ ペルホネンのデザイナーである皆川明さんが、同ブランドの前身となる「ミナ」を立ち上げたのは1995年。一過性の流行ではない普遍的な価値を持つ「特別な日常服」をコンセプトとし、日本各地の生地産地と深いコミュニケーションを重ねながらものづくりをつづけてきました。ファッションからスタートした活動は、その後、インテリアや食器、空間デザインなど次第にその領域を生活全般へと拡げ、デザインを通して私たちの日常のさまざまな場面に「喜び」をもたらす提案を重ねています。その歩みは2020年に25周年を迎えます。

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく

タイトルの“つづく”という言葉は、「せめて100年つづけたい」との思いから始めたブランドが、その4分の1を迎えようとしている現在も、常に100年後を見つめ続けるミナ ペルホネンの継続性を想起させるもの。本展では、多義的な意味をもつ「つづく」をキーワードに、ミナ ペルホネンの独自の理念や世界観を紹介するとともに、現代におけるものづくりの意味や、デザインの社会における役割を考察します。展示デザインは、田根剛さん、グラフィックデザインは葛西薫さんがそれぞれ担当しています。

会期:2019年11月16日(土)~2020年2月16日(日)
場所:東京都現代美術館 企画展示室3F
https://mina-tsuzuku.jp/

吉田ユニ展「Dinalog」

アートディレクター・吉田ユニさんの個展が、ラフォーレミュージアム原宿で11月15日から12月1日まで開催します。吉田ユニさんは、ラフォーレ原宿のキャンペーンビジュアルや「渡辺直美展」のビジュアル、星野源やCharaなどのCD・DVDジャケットのほか、「Mercedes-Benz Fashion Week Tokyo」、「KIRIN」、「LOWRYS FARM」など国内外の企業やブランドのデザインを手がけるアートディレクターです。

本展は、2014年に開催した初の個展「Imaginatomy(イマジナトミー)」に続き、自身2度目のラフォーレミュージアム原宿での個展。新作はもちろん、これまでに手がけたさまざまな作品とその創作過程も展示されます。

吉田ユニ展「Dinalog」

また、会期中にはトークイベントを実施するほか、本展の開催に合わせた作品集も刊行予定です。創造力に富み、その独自の視点が鑑賞者に鮮烈なインパクトを残すユニさんの作品をぜひ会場でご覧ください。

会期:2019年11月15日(金)~12月1日(日)
場所:ラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6F)
https://www.laforet.ne.jp/museum_event/YuniYoshida/

TRANS BOOKS 2019

広がり続けるいまの「本」と「読書」を考えるブックフェア「TRANS BOOKS 2019」が、東京・神保町のコワーキングスペース「TAM COWORKING TOKYO」で、11月23日・24日の2日間開催。

同フェアは、電子や非電子、それ以外などメディアを問わず、どんな本でも購入できるブックフェアとして、2017年から開催しています。編集されたコンテンツを閲覧するだけのものではなく、デジタルやアナログを超えた、表現やメディアとの関係を考えるきっかけを提供してくれるプラットフォームである「本」と、本を取り巻く体験の多様性や可能性を楽しみ、考える場を目指しています。

TRANS BOOKS 2019

会場では、「いま、どんな形式の『本』や読書体験があり得るか」をテーマに、作家に本づくりを依頼して制作された新刊や、すでに発行されている既刊本などを販売。また、ラジオの公開生放送などイベントの開催も予定されているのでお楽しみに。こちらも2日間のイベントなのでお見逃しなく!

会期:2019年11月23日(土)・24日(日)
場所:TAM COWORKING TOKYO
https://transbooks.center/2019/

目 非常にはっきりとわからない

空間を大規模に変容させる表現などで、現実世界の不確かさを人びとの実感に引き寄せる作品を展開し、国内外で大きく注目を集める現代アートチーム「目」。美術館における初の大規模個展が、千葉市美術館で11月2日から12月28日まで開催しています。

Photo by Max Pinckers

Photo by Max Pinckers

千葉県の地球磁場逆転地層(チバニアン)からヒントを得た本展は、展示物に加え、鑑賞者の動きや気付きを含む千葉市美術館の施設全体の状況をインスタレーション作品として展開し、突き放された現実としての美術館に人々を誘います。さまざまな状況が集積されてゆく動的な展示空間は、訪れる人々が理解していたはずの意味や本質を剥がしてゆくように、当たり前のものとしてどこか見過されているような現実世界を、新たな感覚で捉え直させる機会となるはず。

毎度ネタバレ禁止の「目」の展示ですが、実際に会場で体験した感想を一言であらわすと「まさにタイトルどおり…!」です。ネタバレ禁止ですが語らずにはいられない気持ちになるため、ぜひ誰かと一緒に訪れ、感想を共有することをおすすめします…!

会期:2019年11月2日(土)~12月28日(土)
場所:千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2019/1102/1102.html

科学と芸術の丘 2019

千葉県松戸市のでは、11月16日・17日の2日間「Citizens of the Future-未来の市民」をテーマに、科学と芸術の国際フェスティバル「科学と芸術の丘2019」を開催します。

メイン会場である戸定邸は、水戸藩最後の藩主であった徳川昭武により建てられ、当時最先端の庭園に囲まれていた邸宅。昭武自身も海外で教育を受け、常に新しい文化や技術を取り入れるグローバルな先駆者の一人だったそうです。

そんな戸定邸を有する戸定が丘を中心に、時代を切り開く研究者や表現者が集まり、先端科学を駆使した特別な展覧会やワークショップ、トークなどを楽しむことができます。参加アーティストは、アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ、市原えつこ、東京大学生産技術研究所・山中俊治研究室など。

科学と芸術の丘 2019

期間中は市内を中心に活動する若手が運営する、カフェや雑貨屋が集う「丘のマルシェ」も戸定が丘歴史公園内で開催されます。

会期:2019年11月16日(土)・17日(日)
場所:戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園
http://science-art-matsudo.net/

会期が近いものも多く紹介しましたが、予定がまだ決まっていない方はチェックしてみてださいね。また、今月からタイトル画像が新しくなりました!イラストレーターのakira muraccoさんに、どんなイベントに行こうか探している女の子を描いていただきました。ぜひそちらもご覧ください。来月も編集部が気になるイベントをご紹介しますのでお楽しみに!

タイトルデザイン:akira muracco 構成:石田織座(JDN)