ブラジルを代表する建築家、オスカー・ニーマイヤー(1907-2012)の日本における初の回顧展が、東京都現代美術館で開催されている(2015年10月12日まで)。
ニーマイヤーは、ブラジルモダン建築の父とも呼ばれ、プリツカー賞、高松宮殿下記念世界文化賞、アメリカ建築家協会ゴールドメダルなど数々の建築賞を受賞し、104才で亡くなるまで精力的に仕事を続けた。
リオデジャネイロに生まれたニーマイヤーは、リオデジャネイロ国立芸術大学建築学科で学び、師であるルシオ・コスタと共に建築事務所を設立。その後、ル・コルビュジエと出会い、ともにニューヨーク国連本部ビルを設計。ブラジリアで数多くの建築をてがけたのは1950年代、ブラジリアが世界遺産に登録されたのは1987年のことだ。
ニーマイヤーのデザインは女性の身体にたとえられるように、有機的で自由な曲線を特徴として、ブラジルの自然が持つ生命観とモダニズムの幾何学を融合させたと言われている。だが、「図面が残っておらず、回顧展を開くことは難しいと言われている」(東京都現代美術館チーフキュレーター、長谷川祐子氏)という。今回、会場構成を手がけたのはSANNA。展示は、野口直人建築設計事務所による様々なスケールの模型を中心に、ニーマイヤーのドローイング、二川幸夫氏やホンマタカシ氏等によるニーマイヤー建築の写真、ドキュメンタリー映像、ニーマイヤーがデザインした椅子等により構成されている。日本の建築家にも多くの影響を与えたと言われているニーマイヤーの未来的な造形。ここでは、展示会場からその一部を紹介する。
オスカー・ニーマイヤー展
http://event.japandesign.ne.jp/2015/07/7984/
ブラジルのデザイン、その背景と個性
https://www.japandesign.ne.jp/report/150401_brazil_design.html