アジアの空に浮かぶ雲をイメージした、エスプレッソカップ＆ソーサー「Cloud（クラウド）」。コロンとした形や雲形の持ち手が愛らしいカップと、シンガポールを象徴するプラナカンブルーのソーサーが組になっている。

Cloudはシンガポール人のクリエイター、ケイシー・チェンさんと、岐阜県の磁器メーカー深山（みやま）がタッグを組んで生まれたプロダクト。

質感を重視したエスプレッソカップ＆ソーサーは、白磁と和紙を用いた転写技術にケイシーさんが注目してつくられた。カップの繊細なデザインを可能にしたのは「鋳込み製法」という、ろくろを使わずに石膏で作った型を用いる器の成形方法。薄さと強度を兼ね備えた器づくりが可能となる。ソーサーの絵付けは、里泉焼（りせんやき）という、ごく一部の窯元だけが継承している手法が用いられた。里泉焼きは銅板を印刷原板とした和紙を使い、線画を磁器に転写する技術だ。深山の丁寧なものづくりと高度な技術が、雲を形どった製品を生み出した。

クリエイティブ産業の発展がめざましいシンガポールと、長い歴史をもつ日本工芸のコラボレーションは、日本とシンガポールに拠点を持つ「株式会社HULS」の企画によって実現。日本とシンガポールで同時発売され、日本では特設サイトにて販売するほか、各種ライフスタイルショップやミュージアムショップで展開。