人、モノ、コトが交差する日本橋に、新たな風を吹き込む共創プロジェクト「nihonbashi β」-(2)

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人、モノ、コトが交差する日本橋に、新たな風を吹き込む共創プロジェクト「nihonbashi β」-(2)
共同制作から生まれる化学反応

朴:今回のプロジェクトでは、バックグラウンドが異なる複数のクリエイターによる共同制作という点も大きな特徴です。おふたりは「BAPA」という僕らが運営していたクリエイター育成プログラムでこれに近い経験をしていますが、共同制作の醍醐味はどんなところにありますか?

後藤:視点や趣向がそれぞれ違うので、異種格闘技戦のようなおもしろさがありますよね。普段の仕事では、上下関係や与えられた役割などがあり、フラットな関係性で誰かとものをつくる機会はなかなかありません。一方で、BAPAでは、しがらみがないメンバーが本気でぶつかり合っていたので、「死んでもつまらないものはつくれない」という感覚がありましたね(笑)。

矢後:そういえば、BAPAで同じチームだったひとりが、当時は学生だったのですが、先日たまたま打ち合わせに行った制作会社で働いていたんですね。その時は一緒に仕事をしたわけではなかったのですが、いつか仕事がしたいなと思いました。そういう、仕事ではあまりない感情移入してしまう仲間ができる機会というのはとても貴重だと思います。

朴:日本橋の街の人たちとも関わりながら形にしていくというのも、今回のプログラムのポイントです。地域と関わるプロジェクトにおいておふたりが大切にしていることはありますか?

矢後:最も大切なのは、地域に貢献するという気持ちなのかなと思っています。この場所を使ってこんな表現がしたいという考え方になってしまうと、きっとうまくいかないんです。いまこの街にはどんなメッセージが必要なのか、街の課題に対してどう応えていけるのかという視点から、街の未来を考えていく姿勢が大事だと思います。

後藤:その街の特徴や歴史などを自分なりに調べていくなかで、街が売り出したいと考えている要素とは違うものが魅力的に見えてくることがあるんですよね。街を構成する要素というのはあらゆる場所に点在していて、それらに対して少し裏道からアプローチしていくような意識が持てると、新しい発見や他にないアイデアが生まれるのかなと思っています。

「人」がつくる日本橋の未来

朴:今回のプロジェクトにあたって、三井不動産の方たちと話を進めるなかで、「みんなが挨拶を交わすような街にしたい」という話が出てきて、とても共感できました。そういう街の未来につながっていくような取り組みになると素晴らしいなと思っています。

坂本:日本橋というのは、人がつくっている街なんです。震災や空襲によって「形」はなくなってしまったかもしれませんが、街の人たちの中には文化や歴史、想いがしっかり継承されている。日本橋は敷居が高いように思われがちですが、実際にはとてもアットホームで優しいコミュニティのある街なんです。そういう人とのつながりも日本橋の魅力で、コミュニケーションが深まっていくほどおもしろくなる街だと感じます。

後藤:この人に会いたい、話をしたいということが、その場所に行く動機にもなりますよね。何でもネットで手に入れられる時代だからこそ、実際に足を運ばないと出会えない人、触れられないモノ、味わえない体験がますます大切になっているし、日本橋にはそういうものがたくさんあるんだろうと思います。

矢後:個人的に日本橋のような街は、あまり観光地化されてほしくないなと思います。この街には重要文化財に指定されているような素晴らしい建築物も多いですが、これらが観光施設として開放されるよりは、実際に使われ続けていてほしいなと。

坂本:建物はただの箱ではなく、そこには生きた人たちがいるわけですからね。日本橋の人たちというのは、伝統や文化を継承していく縦のつながりとともに、例えば鰻屋さん同士、お寿司屋さん同士が仲が良かったり、横のつながりもとても強いんですね。また、みなさんアクティブで、バイタリティがあり、どんどん新しいことをやっていこうというマインドの人が多いんです。

朴:日本橋では、70〜80代の方たちが一線でがんばっているのは素晴らしいことですよね。一方で、今回のプロジェクトでは、若い世代にもこの街に関わって何かを試せる機会が提供できるといいなと思っているし、ここ日本橋で若い世代同士の新しいつながりが生まれたという現象を起こしたいですね。

矢後:若いクリエイターが街に入っていき、その取り組みが実際に形になるというのはとても魅力的ですよね。さらにこれが一回限りのプロジェクトで終わるのではなく、継続していくことができると、より大きな意味が生まれてくるんじゃないかなと思います。

後藤:10年後に振り返った時に、当時の状況が思い出されるような暖簾が生まれるとすばらしいですよね。暖簾という伝統ある媒体と現代のテクノロジーなどが上手く融合できれば、新しい暖簾のフォーマットが生まれるかもしれないし、それは新旧の要素が入り混じる日本橋の特性を反映したものにもなるのではないかと思います。

取材・文:原田優輝 撮影:寺島由里佳

nihonbashi β
若手クリエイターと日本橋をつなぎ、日本橋の未来をつくる共創プロジェクト「nihonbashi β」。その第一弾として、各業界で新しいチャレンジを続けるクリエイターを講師に迎え、日本橋を代表する有名店とともに、新しい日本橋体験をつくるワークショッププログラムが開催される。

初回プログラムのテーマは「未来ののれん」。日本橋の有名店の「のれん」を題材に、最先端のテクノロジーや自由なアイデアをかけ合わせ、来街者に新しい体験を提供するインスタレーションを制作する。ワークショップで生まれた作品は、日本橋の有名店内に実際に掲出し、「nihonbashi β 未来ののれん展」として大きく発表する予定。

講師・モデレーターには、各業界で新しいチャレンジを続けるクリエイターを迎える。左上から時計回りに、後藤映則(アーティスト/デザイナー)、中里唯馬(YUIMA NAKAZATO)、中村勇吾(tha ltd.)、 西村真理子(HEART CATCH)、朴正義(Bascule)、矢後直規(SIX)、山崎泰(JDN)

講師・モデレーターには、各業界で新しいチャレンジを続けるクリエイターを迎える。左上から時計回りに、後藤映則(アーティスト/デザイナー)、中里唯馬(YUIMA NAKAZATO)、中村勇吾(tha ltd.)、 西村真理子(HEART CATCH)、朴正義(Bascule)、矢後直規(SIX)、山崎泰(JDN)

【応募方法】ポートフォリオの提出
【作文課題】「私ならこうする。新しい日本橋の魅力づくり」
【応募受付期間】2018年6月29日(金)~7月20日(金)
【応募条件】35歳以下の学生・社会人 プロ・アマチュア問わず応募が可能
【受講費】無料
【定員】約15名
【結果発表】合格者のみにメールにて連絡

https://nihonbashi-beta.jp/