時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの

イヴ・クラインは、吸い込まれるような鮮やかで深い青―インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)―で有名な、青の作家として知られています。荒廃した戦後の「タブラ・ラサ(白紙)」ともいえる状況から、彼は新しい人間性を探求する作家として、彗星のごとく登場しました。クラインが20歳の時、詩人のクロード・パスカルと彫刻家のアルマンとともに過ごしたニースの浜辺で、3人で「世界を分割する」ことを思いつきます。クラインが欲したのは「青空」であり、空に向かって署名することで、空とその無限性を作品として手にしたとされるエピソードは、彼の「非物質性」、「精神の自由」、「空間への飛翔」、「宇宙的な想像力」への関心を示しています。
また、アクションやパフォーマンスを通し、最も非物質的で精神的であると考えた「青」に代表される色や火、水、空気などを用いることで、芸術を物質として見せるのではなく、「感性」を通して触れられるようにしました。若き日に来日したクラインは、柔道の黒帯を取得し、精神と身体の関係を探求したことでも知られています。
同時代、廃墟から立ち上がり、自分の身体や物質、空間の関係をゼロから見直すような実験的な芸術の試みとして、イタリアでは空間主義運動、ドイツなどでは「ゼロ」、日本では「具体」などが展開されました。本展は、イヴ・クラインを中心に、こうした同時代作家、さらに現代の作家を加えて、彼らの芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせます。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋》
【関連イベント】
●美術講座―イヴ・クラインと戦後及び現代芸術
日時:1月28日(土) 15:00~16:30
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
料金:無料
定員:70名
※事前予約制
●ギャラリーツアー
日時:1月14日(土)、2月11日(土) 16:00~17:00ごろ
会場:金沢21世紀美術館 展示室5~12、14
受付:レクチャーホール前
定員:20名
※当日受付、先着順
開催期間 |
2022/10/01(土)~2023/03/05(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~18:00(金・土は20:00まで) |
休館日 | 月曜日(1/9は開場)、1/10 |
入場料 | 一般1,400円/大学生1,000円/小中高生500円/65歳以上の方1,100円 |
参加アーティスト | イヴ・クライン、ハルーン・ミルザ、キムスージャ、布施琳太郎、トマス・サラセーノ 他 |
会場 |
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お問い合わせ | 076-220-2800 |
会場URL | https://www.kanazawa21.jp/ |
詳細URL | https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1798 |