横尾忠則 幻花幻想幻画譚 1974-1975
時代の寵児として先陣を切って若者文化を牽引していた横尾忠則は、1974~75年にかけて、東京新聞に連載された瀬戸内晴美(現・瀬戸内寂聴)による時代小説『幻花』のために挿絵を描いていた。室町幕府の衰退を一人の女性の視点から綴ったこの小説に、横尾は自由奔放な発想をもって実験的手法を繰り出しながら、超絶技巧の挿絵を次々と生み出していった。2015年12月、兵庫の横尾忠則現代美術館にて、挿絵の全原画が一般公開されるまで、その存在を知るものはほとんどいなかった。そのとき、40年間の封印から解き放たれた原画たちは、横尾が第一線で活躍するなか東洋思想への関心を深めていた70年代半ばの、時代の空気やエネルギーを強烈に発散しつつ、新たな生命を解き放った。
今回、横尾忠則現代美術館の協力のもと、横尾自らが命名した「幻花幻想幻画譚」を受け継ぎながら、挿絵原画全371点を新たな視点から甦らせる。約8cm×14cmの小さな画面から発せられるエネルギーはどこからやってきたのか。40歳を前にした横尾忠則のいた社会情勢にも焦点を当てながら検証する。般若心経を書き込んだり、映画のアニメーションのように同じ場面を少しずつ変化させ連続性を持たせたり、一方、唐突に物語に関係ないモチーフや、作家瀬戸内自身の肖像を登場させたり、原稿ができ上がる前に挿絵を描いてしまったものなど、横尾イラストレーション・ドローイングの真骨頂、横尾グラフィックワークの最高傑作が凝縮された小さな宇宙を体験していただきたい。
開催期間 |
2018/09/05(水)~2018/10/20(土) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日曜日、祝日 |
入場料 | 無料 |
参加アーティスト | 横尾忠則 |
会場 |
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会場電話番号 | 03-3571-5206 |
会場URL | http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/ |