平塚市美術館の陽光の降り注ぐ高さ11mのテーマホールを舞台に、気鋭の現代アーティスト・土田泰子の展覧会「土田泰子展　導～ Where’s a will, there’s a way」が開催される。

土田泰子は名古屋芸術大学デザイン学部を卒業ののち、朝日現代クラフト展準グランプリ・阪急百貨店賞や、フランク・ミューラー・アート・グランプリ「求ム。創造の天才。」などに入賞を重ね、国内外で幅広く活躍している。

土田の作品をみて、私たちは3度驚く。最初は完璧につくり上げられた美しい造形。さらに作品の素材が、無数の安全ピンやマドラー、温度計などの日用品であることに自らの常識をくつがえされるような驚きを感じる。3度目に、その素材やサイズ、パーツの個数にいたるまですべてに意味があり、作家の深い洞察にもとづいていることに驚くことだろう。

土田作品は「コンセプチュアル・アート」に与すると評される。アイデアやコンセプトを重視する方向性がそう感じさせるのだろう。一方その天啓のように浮かぶアイデアの実現には、一つ一つの素材をつむいでいく気の遠くなるような時間と手仕事が必須となる。求道的ともいえる営みが醸すオーラとその芸術世界を堪能いただきたい。

【関連イベント】
●作家によるギャラリートーク
日時：12月8日（土）、2019年1月26日（土）、3月23日（土）　各日14:00～14:40
場所：テーマホール
講師：土田泰子（現代美術家）
※申込み不要