東北へのまなざし 1930-1945

満州事変に始まる混乱が太平洋戦争へと拡大していった1930年代から1945年にかけての日本は、一方で、昭和モダンとよばれた都市文化が爛熟し、視覚文化や生活様式が急激な変化を遂げた時代でもありました。
この頃、先端的な意識を持った人々が相前後して東北地方を訪れ、その土地の建築や生活用品に注目し、これらを書き留め、蒐集し、あるいは展示を行っています。ナチス政権発足の1933年に来日した建築家ブルーノ・タウト、1926年に日本民藝美術館設立趣意書を掲げて民藝運動を展開した柳宗悦、1940年に商工省に招聘されたシャルロット・ペリアンなどは、その一例です。
また、素朴なこけしや郷土玩具への関心も昭和に入って飛躍的に高まり、東北地方の郷土玩具を蒐集、紹介した武井武雄や米浪庄弌らの活動も、民藝運動に近接する動きとして特筆されます。さらには、「考現学」の祖として知られる今和次郎や『青森県画譜』を描いた弟の今純三、東北生活美術研究会展を主導した画家の吉井忠などの東北出身者たちも、故郷の人々と暮らしを見つめ直し、貴重な戦中期の記録を残しています。
本展は、東北に向けられたこれら複層的な「眼」を通して、当時、後進的な周縁とみなされてきた東北地方が、実は豊饒なる文化の揺籃であり、そこに内包される営みの力が現在と地続きであることを、改めて検証します。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋》
【関連イベント】
●講演会1「柳宗悦 東北を想う」
講師:杉山享司(日本民藝館 学芸部長)
※講師はリモート出演
日時:4月10日(日) 14:00~15:30
場所:ホール
定員:100名(先着順)
※参加無料
●講演会2「東北で見出されたものづくりの知恵と21世紀の暮らし」
講師:黒石いずみ(青山学院大学 総合文化政策学部 客員教授)
日時:4月23日(土) 14:00~15:30
場所:ホール
定員:100名(先着順)
※参加無料
●ギャラリートーク
日時:4月15日(金)、4月29日(金・祝)、5月13日(金) 各日14:00~(30分程度)
場所:ホール
※参加には本展観覧券または半券が必要
開催期間 |
2022/04/09(土)~2022/05/15(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 9:30~18:00(入館は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日(5/2は開館) |
入場料 | 一般1,000円/高校生・学生600円/小学生・中学生400円 |
会場 |
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会場電話番号 | 019-658-1711 |
会場URL | http://www.ima.or.jp/ |
詳細URL | https://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/20220409.html |