ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み

京都dddギャラリー 第238回 企画展

Designed: Kijuro Yahagi Designed: Kijuro Yahagi

京都の京都dddギャラリーにて、「ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み」が2023年10月15日まで開催されています。

—以下、公式サイトの紹介文を抜粋—

アメリカでもっとも愛された芸術家の一人、ソール・スタインバーグ(1914-1999)の逝去から24年。スタインバーグの名前は日本でもおなじみですが、今もっとも再発見、再評価を必要としている芸術家です。

スタインバーグは、ドローイングを「紙上で推論する方法」と捉え、神話化されたアメリカの理想像と現実とのギャップや、不気味で滑稽な不条理、たとえば、古いものと新しいもの、優雅と狂暴といったものの混在とその見えない裂け目(クレバス)を、ユーモアと風刺を備えた、軽妙でしかも鋭利な線(line)で描きました。彼は、「見えない線」、「見えないもの」、「見えない言葉」、「見えない構造」を視覚化し、意味の変換、概念の変換に生涯挑戦し続けました。

自分自身の肩書の曖昧さを積極的に受け入れていたようで、世間からも「描く文筆家」、「言葉と音の建築家」、「境界線上の芸術家」、「新しい思想の起案者」など様々に評され、常に未知の視覚的領域を超えて、子供の絵や大人の落書きから、クラシック、バロック、マニエリスム、表現主義、キュビスム、構成主義まで、あらゆるスタイル、あらゆる表現方法を試みました。

「私は読者に共犯を呼びかけている」と、スタインバーグは見る側を、現実の理不尽さに目を向けるために当事者になることを煽ります。スタインバーグが生み出した造形は、このような思索と思想を武器に、イタリアの風刺新聞『ベルトルド』やアメリカを代表する雑誌『The New Yorker』誌をはじめ、数々の新聞や雑誌の紙面を、美術館の壁にあるピカソの絵と同じくらい明確に、芸術の場に変えたのです。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催された、日本初の大々的な個展を巡回する本展では、ソール・スタインバーグ財団よりご寄贈いただいたポスター、リトグラフ、エッチングなどの貴重な作品をはじめ、ドローイングを中心とした代表作の複製作品などを含む、合計約170点の作品を一堂にご覧いただきます。本展の監修をいただいた矢萩喜從郎氏曰く、「スタインバーグのドローイングを見せられたほとんどの人が、有り得る筈がない情景、と最初笑って反応したとしても、すぐに戸惑い、思考が停止し、宙吊りにされてしまう」。ぜひこの感覚を、会場の作品に直接対面して、ご体験ください。

開催期間 2023/08/09(水)~2023/10/15(日)
※イベント会期は終了しました
時間 11:00~19:00(土・日・祝は18:00まで)
休館日 月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)、9/12
入場料 無料
参加アーティスト ソール・スタインバーグ
会場
  • 京都dddギャラリー
  • 京都府京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸3F
会場電話番号 075-585-5370
会場URL https://www.dnpfcp.jp/gallery/ddd/
詳細URL https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=2&seq=00000821