デンマーク・コペンハーゲン発のアート雑誌「PLETHORA MAGAZINE（プレソラマガジン）」の展示が、梅田 蔦屋書店で開催される。

“芸術作品に最も近い雑誌”と呼ばれる「PLETHORA MAGAZINE」は、伝統的な印刷技術に対する深い情熱から生まれた。ポスターサイズという、雑誌としては常識を覆す大きさで、額装すれば全ページがアートとして成り立つのが大きな特徴だ。

コンテンツに関しても、記録文書から慎重に吟味した偉人たちの軌跡、非凡なアーティストの人生模様、現代芸術家やファインアートを取り上げるという異色の編集内容となっている。広告などのノイズを一切排除しており、そこにあるのは52ページにおよぶ圧倒的なビジュアル、そして非凡な物語たちだ。

さらに注目すべきは、ヒンズー教寺院の僧侶による高度な印刷技術だ。印刷物に合わせて異なる手順を踏むという、こだわりの工程で刷られている。これは将来の印刷技術に対する清らかなビジョンでもあり、現在の急速なデジタル化社会に取り残されているすべてのものへの静かなる尊敬の念でもある。どれを取っても今までにない全く新しい世界観や価値観、そして忘れかけていた情熱の結晶とも言える一冊である。

本展は、世界的にも希少価値の高い「ISSUE No.1」から、2017年に発行された「ISSUE No.6」まで、全てのバックナンバーが揃う。日本でも人気の草間彌生や杉本博司、キースへリングなどの作品も収録されている。世界で限定800冊という貴重なアートマガジンを直接体験できる貴重な機会となる。ぜひお手に取ってご覧いただきたい。