宮島達男「LIFE (complex system)」

宮島達男 《LIFE (complex system)- no.7 》 2016年、127.4 x 175.4 × 13 cm 発光ダイオード、IC、イケガミプログラムのマイコン、電線、光センサー、プレキシグラス、アルミハニカムパネル、ステンレスフレーム、 Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE 宮島達男 《LIFE (complex system)- no.7 》 2016年、127.4 x 175.4 × 13 cm
発光ダイオード、IC、イケガミプログラムのマイコン、電線、光センサー、プレキシグラス
アルミハニカムパネル、ステンレスフレーム、Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE

宮島達男による個展「LIFE (complex system)」が、スカイザバスハウスで開催されている。

1と9の間を行き来する発光ダイオード(LED)の明滅。宮島達男は、誕生から死にいたるまでの生命、そしてその他者への関係性を、数字というユニバーサルな記号の反復によって表現してきた。2012年に発表した「IKEGAMI Model」では、東京大学で人工生命を研究する池上高志教授の協力を得て、生命体のような動きをする特殊なプログラミングと電子回路を構築している。ひとつの電子信号がまったく予測できない反応の連鎖を生み出す「IKEGAMI Model」は、周囲の環境や互いの関係性に順応し、既存のフォーマットを超えた新しい存在として自らプログラムを書き換えていく。そこには、絶え間ない変化に接続された生命体を、個と全体の関係性から考察する生命科学の視点が取り入れられている。

新作シリーズ『「Life (complex system)」(生命:複雑系)』は、ステンレス製のケースの中に配した「IKEGAMI Model」のデジタルカウンター(ガジェット)と、それを結ぶ電子回路で構成され、あたかも人工生命が「孵化器」のなかで息づくように、LEDのまたたきに人工生命の静かな呼吸が託されている。生命の宇宙に接続したこれらのガジェットは、光の三原色によるさまざまな個性の輝きとなって顕現し、やがて「0(ゼロ)」を刻む一瞬、闇に伏す。死を意味するこの暗闇もしばしの休息にすぎず、光はまた立ち上がりカウントをはじめる。それは仏教における輪廻転生の教えでもある。半永久的な反復を可能にするLEDテクノロジーは、複雑系の学説や宗教観のうちに結びつき、複雑な世界に開かれた生命の神秘を解き明かしながら、永遠につづく時間の流れを示唆している。

開催期間 2017/03/03(金)~2017/04/22(土)
※イベント会期は終了しました
時間 12:00~18:00
休館日 日曜日・月曜日・祝日
入場料 詳細は公式ホームページをご覧ください
参加アーティスト 宮島達男
会場
  • SCAI THE BATHHOUSE
  • 東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
会場電話番号 03-3821-1144
会場URL http://www.scaithebathhouse.com/
詳細URL http://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2017/02/tatsuo_miyajima_life_complex_sysmtem/