札幌を拠点に活動する“ニューウェーヴ”なエナメル（七宝焼）ブランド、「MEDO」の個展「LOVEとTHEFT／ホタテーランド」が、東京・世田谷のnostos booksで開催される。

「MEDO（メド）」は、ヤマダカズユキ＆ミヤコによるエナメルブランド。「伝統工芸をユーモアのあるデザインで現代的に」をコンセプトに掲げ、ひと目見ただけでクスッと笑えるエナメルアクセサリーを発表している。エナメル（七宝焼）は、金属素地に釉薬を焼成することでできる、艷やかで彩り豊かなガラス様の工芸品のこと。正倉院宝物の中にも見られ、技法そのものは紀元前にも遡ると言われている伝統工芸技法だ。

本展のテーマは「LoveとTheft」。ボブ・ディランのアルバムタイトル「Love and Theft」からの引用だ。意味は「愛と盗難」、すなわち「愛をもってオマージュする」ということ。目にすると思わず笑顔になってしまう作品をこれまでも発表してきたMEDOだが、今回の展示でも誠心誠意、愛を込めてつくったアイテムが並ぶ。ひとつひとつ手づくりするエナメルは、同じものをつくっても個体差が出てしまう1点もの。色の出方やキャラクターの表情に生まれる揺らぎがまたパロディらしく、魅力を感じてしまう。

また、同じく札幌を拠点に活動する新進気鋭のイラストレーター、ハトホタテとコラボレーションしたブランドライン「ホタテーランド」も同時展開。ハトホタテのイラストをもとにつくるエナメルのブローチが、ハトホタテのイラストとともに並ぶ。ユーモア溢れるパロディや可愛いイラストを楽しむとともに、普段はなかなか馴染みのない伝統工芸品を身近に感じる機会となる。