川原慶賀の植物図譜

《Russian Academy of Sciences Library》. St. Petersburg 2017
長崎の絵師・川原慶賀は、江戸時代後期、日本人の立ち入りが厳しく制限されていた出島の出入りを許され、オランダ商館の求めに応じて日本のさなざなな文物を描き、膨大な数の絵画を制作していた。
とりわけ慶賀は、出島のオランダ商館の医師として来日したドイツ人の医師・博物学者、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトと交流を深めた。日本の自然や生活文化、特に植物に対して強い関心を持ったシーボルトの要求に応えて、西洋画法を習得した慶賀は、彼に随行し、長崎や江戸参府の途上で、植物の姿かたちを正確に写した写生図を数多く描いた。シーボルトがヨーロッパに持ち帰った慶賀や他の絵師による植物図譜のうち、およそ1,000点はシーボルトの死後ロシアに渡り、現在ロシア科学アカデミー図書館に収められている。
慶賀の人物像を明らかにする資料は少なく、その多くの部分は謎に包まれている。しかし、植物図譜をはじめ、長崎の風景や人々の暮らしを描いた作品は、この画家が鋭い観察眼と、見たものを生き生きと写し取る高い技量を持っていたことを物語っている。
本展では、ロシア科学アカデミー図書館が所蔵する川原慶賀の植物図譜から125点が紹介されるとともに、国内に所蔵されている作品資料を通して、慶賀の眼が何を見つめ、どのように写し取っていたのかをたどる。
【関連イベント】
●講演会「川原慶賀の長崎歳時記」
講師:下妻みどり(ライター、『川原慶賀の「日本」画帳』編著者)
日時:4月15日(土) 15:00~16:30(14:30開場)
場所:埼玉県立近代美術館 2階講堂
料金:無料
定員:100名
※当日先着順
●講演会「川原慶賀の植物図譜」
講師:大場秀章(東京大学名誉教授)
日時:4月23日(日) 15:00~16:30(14:30開場)
場所:埼玉県立近代美術館 2階講堂
料金:無料
定員:100名
※当日先着順
※その他関連イベントは、下記詳細URLをご覧ください。
開催期間 |
2017/04/08(土)~2017/05/21(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:30(入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(5/1は開館) |
入場料 | 一般1,000円/大高生800円/中学生以下・障害者手帳をご提示の方(付き添いの方1名を含む)は無料 |
参加アーティスト | 川原慶賀 |
会場 |
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会場電話番号 | 048-824-0111 |
会場URL | http://www.pref.spec.ed.jp/momas/ |
詳細URL | http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=358 |