遠藤利克展-聖性の考古学

遠藤利克《空洞説-木の舟》 /2009年/113×85×1100cm/作家蔵/展示風景:青森公立大学 国際芸術センター青森 撮影:山本糾 遠藤利克《空洞説-木の舟》 /2009年/113×85×1100cm/作家蔵
/展示風景:青森公立大学 国際芸術センター青森 撮影:山本糾

遠藤利克は、現代の日本を代表する彫刻家である。1960年代から70年代にかけて芸術の原理をラディカルに問い直したミニマリズムや「もの派」の洗礼を受けながらも、それらの地平を越えることを課題として、1980年代の現代美術シーンに関わっていった。

美術における物語性の復権を掲げた作品では、舟や桶、柩などのモチーフが古の文化や神話的な物語を喚起する一方、水や火などのプリミティヴな要素が、人間の生命の根源にあるエロス(生の衝動)とタナトス(死の衝動)を呼び覚ます。作品の圧倒的なスケールは身体感覚にダイレクトに働きかけ、畏怖と恍惚が、そして生と死が一体となった、より高次元の感覚へと観る者を導いていく。それは遠藤にとって、芸術を通じて「聖なるもの」に近づくことなのである。

ドクメンタやヴェネツィア・ビエンナーレにも出品、北欧と英国で巡回展をおこなうなど、遠藤利克は国際的にも極めて評価が高い彫刻家である。本展は、26年ぶりに関東で開催される大規模な個展となる。2010年代に制作された作品を中心に展示構成する同展では、「聖性」と「考古学」をキーワードに遠藤利克の現在と本質に迫る。

【関連イベント】
●スペシャル・トーク「アートにおける物語性について」
登壇:遠藤利克(彫刻家)×森啓輔(ヴァンジ彫刻庭園美術館学芸員)×建畠晢(埼玉県立近代美術館館長)
日時:7月23日(日) 13:30~16:30(開場13:00)
場所:講堂(2階)
定員:80名(当日先着順)
費用:無料

●映画『ストーカー』上映+アーティスト・トーク
日時:8月20日(日) 12:30~16:00(開場12:00)
場所:講堂(2階)
定員:80名(当日先着順)
費用:無料

●担当学芸員によるギャラリー・トーク
日時:7月22日(土)、8月19日(土) 15:00より30分程度
場所:2階展示室
※企画展観覧料が必要

開催期間 2017/07/15(土)~2017/08/31(木)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:30(最終入場時間 17:00)
休館日 月曜日(ただし、7/17は開館)
入場料 一般1,100円/大高生880円/中学生以下と障害者手帳をご提示の方(付き添い1名を含む)は無料
参加アーティスト 遠藤利克
会場
  • 埼玉県立近代美術館
  • 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
会場電話番号 048-824-0111
会場URL http://www.pref.spec.ed.jp/momas/