音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振

F・バシェ《川上フォーン》1970年 大阪府蔵 F・バシェ《川上フォーン》1970年 大阪府蔵

※新型コロナウイルス感染拡大防止にともない、開幕が延期、当面のあいだ臨時休館となりました(4月30日付 主催者発表)

岡本太郎は、芸術がすべての人と共有するものであるという理念を貫き、《太陽の塔》をはじめとする多くのパブリック作品を制作しました。彼と同じく、誰でも自由に演奏することのできる楽器でありオブジェでもある「音響彫刻」という新しいスタイルを生み出した芸術家がフランソワ・バシェとベルナール・バシェの兄弟です。

フランスで過ごした岡本太郎とバシェ兄弟。フランスの風土と文化が彼らの芸術観を育んだのです。バシェ兄弟の作り上げた「音響彫刻」の造形美と音響は、世界的な評価を得てパリ装飾芸術美術館やMOMAなど世界各地の美術館で展示されました。1970年の大阪万博には鉄鋼館ディレクターであった、作曲家・武満徹がフランソワ・バシェを招聘して鉄鋼館に展示されました。芸術に対する心情を同じくする岡本太郎の《太陽の塔》とバシェ兄弟の「音響彫刻」は万国博覧会を舞台に偶然にも隣り合わせとなって多くの人々に共感を与えることとなったのです。万国博覧会以後、鉄鋼館に保管されていた「音響彫刻」は、大阪府(当時・万博記念機構)、東京藝術大学、京都市立芸術大学が中心となり、当時と変わらぬ美しい造形美と音響を取り戻しました。

本展は、バシェの「音響彫刻」5点を一堂に集め岡本太郎の芸術空間で共演させるという試みです。会場では、音楽アーティストによる演奏会やワークショップなどのイベントを開催いたします。《高木フォーン》《川上フォーン》《桂フォーン》《渡辺フォーン》《勝原フォーン》のそれぞれ異なる個性的な造形は、奏でる人によって無限の音色を発し、岡本太郎の作品との共演によって更なる芸術的空間を創造し人々を魅了するでしょう。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

【関連イベント】
※新型コロナウイルス感染拡大防止にともない、イベントは中止の場合あり。詳細は公式サイトをご参照ください。

●レクチャー
「バシェから受け継ぎ、未来へつなぐ」
日時:4月26日(日) 14:00~16:00
演奏・講師:マルティ・ルイツ(サウンド・アーティスト、バシェ研究者)

●ワークショップ
「バシェ音響彫刻の世界で遊ぼう」
日時:4月29日(水・祝) 14:00~16:00
演奏・講師:マルティ・ルイツ(サウンド・アーティスト、バシェ研究者)
対象:どなたでも(未就学児は保護者同伴)
定員:30名
※要申込み、先着順

●ワークショップ&トーク
日時:5月4日(月・祝)
(1)トーク 13:30~14:30
(2)ワークショップ 14:45~15:30
講師:岡田加津子(作曲家)
対象:どなたでも(未就学児は保護者同伴)
定員:(1)自由観覧(2)40名
※ワークショップは要申込み、先着順

●シンポジウム
「1970年大阪万博、武満徹、F・バシェについて」
日時:6月21日(日) 13:00~14:30
登壇者:船山隆(音楽学者)、柿沼敏江(音楽学者)、川崎弘二(電子音楽研究)

「バシェ音響彫刻の楽器としての側面と音が脳に与える影響について」
日時:6月27日(土) 13:00~15:00
登壇者:亀山徹(音響学)、仁科エミ(情報環境学)
司会:永田砂知子

開催期間 2020/04/25(土)~2020/07/12(日)
※イベント会期は終了しました
時間 9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし5/4を除く)、5/7、5/8
入場料 一般900円/高・大学生・65歳以上700円/中学生以下は無料
会場
  • 川崎市岡本太郎美術館
  • 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内
会場電話番号 044-900-9898
会場URL http://www.taromuseum.jp/
詳細URL http://www.taromuseum.jp/nextexhibition.html