
映画の発明から120年、映画館は人々が暗闇に集い、眼を開けてともに同じ“夢”を見る特別な空間であり続けてきた。しかし、映写技術がフィルム映写からデジタル・プロジェクションに移り変わる昨今、私たちの想像力を育んできた国内の歴史ある映画館が次々と閉館している。その一方、新時代のテクノロジーを受け入れながらも、フィルムによる映写を粘り強く続けている劇場・上映施設も各地に存在する。
本展では、昨年、第一写真集「映画館」(リトルモア刊)を発表した写真家・中馬聰の作品約100点を紹介する。中馬は、関西でフィルム映写の技師を勤めながら2007年より全国の映画館をめぐり、その建造物はもちろん、映写室や小さな片隅に至るまで“シネマの匂い”のする場所をくまなく撮り続けてきた。モノクロームを主とするその写真は記録的な価値を持つばかりか、私たちと映画を結びつけてきた空間の限りない親密さも示している。
またこの機会に、フィルムセンターが所蔵する戦前期の映画館写真も併せて展示し、20世紀文化を先導した映画の大いなる姿を見せる。過ぎ去った映画の記憶を呼び戻すとともに、この社会の中で映画が担ってきた価値を再発見し、さらにこれからの映画文化のかたちを模索するための好機となるだろう。
開催期間 |
2016/04/12(火)~2016/07/10(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 11:00~18:30(入室は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日、6/13~6/17 |
入場料 | 一般210円/大学生・シニア70円/高校生以下および18歳未満・障がい者(付添者は原則1名まで)・MOMATパスポートをお持ちの方・キャンパスメンバーズは無料 |
参加アーティスト | 中馬 聰 |
会場 |
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お問い合わせ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
会場URL | http://www.momat.go.jp/fc/ |
詳細URL | http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/eigakan/ |