香水瓶の世紀-バカラとルネ・ラリックを中心に-

バカラとルネ・ラリックを中心に、19世紀末から現代に至るおよそ100年間に作られた香水瓶、約200点による展覧会が、資生堂アートハウスで開催される。
資生堂初代社長である福原信三(1883-1948)は、化粧品を、人間の嗅覚、触覚、視覚に訴える特別な感性的価値を生み出すことができる「工藝芸術品」と捉え、その象徴として、とりわけ香水製造を重視した。
以来、資生堂は福原の思いを受け継ぐと共に、その美的資産を未来に役立てることを目的とし、ルネ・ラリックを中心に香水瓶の歴史に名を刻む数多くのものをコレクションしてきた。
20世紀は香水が飛躍的に普及、発達した世紀でもあった。市民階級の台頭による購買層の拡大、ファッションへの関心、合成香料の開発や抽出法の革新による香料の普及は香水の大流行を生み出す。フランスにおける香水製造は産業に結び付き、さまざまな香水が欧米を中心とした幅広い階層の人々に浸透していく大きな要因となった。
それに呼応するように香水を入れる容器にも工夫が凝らされるようになる。ことに、アール・デコの時代(1920-1930年代)には一つの黄金期を迎えることになり、この時代に制作された香水瓶はルネ・ラリックに代表される傑出したガラス工芸家の活躍もあって、その高い芸術性、ヴァリエーションの豊かさにおいて他の追随を許さないものがある。
1939年に始まった第2次世界大戦は香水産業にも大きな被害を及ぼしたが、その後の復興にともない、香水メーカーはもとより、戦前からの流れを引き継ぎながらファッション産業と密接に結び付き、今日に至る発展を遂げていくことになった。
現在私たちが見る「香水」とは、香り立つ香水そのものに、瓶、ラベル、外箱、そして名称が寄り添い綾なす総合芸術である。この小さな芸術品に人々が込めたイマジネーション、そして、私たちの感覚に訴えかける豊潤で贅沢な美の世界を心ゆくまで味わっていただければ幸いである。
※会期をバカラ社による香水瓶を中心とした前期、ルネ・ラリックによる香水瓶を中心とした後期とし、全作品を入れ替え
前期:2015年7月17日(金)~9月27日(日)
後期:2015年10月2日(金)~12月13日(日)
開催期間 |
2015/07/17(金)~2015/12/13(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、祝日・振替休日の場合は翌日)、夏季(8月中旬)、年末年始(12月下旬~1月上旬)、展示替えのための臨時休館 |
入場料 | 無料 |
会場 |
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会場電話番号 | 0537-23-6122 |
会場URL | https://www.shiseidogroup.jp/art-house/ |
詳細URL | http://www.shiseidogroup.jp/art-house/exhibit/future.html |