日本有数の家具産地、飛騨高山の「2016飛騨の家具®フェスティバル」盛況でした

枝の美しさを活かした椅子「kinoe」をジャーナリストに説明するデザイナー貝山伊文紀氏、飛騨産業ショールームにて枝の美しさを活かした椅子「kinoe」をジャーナリストに説明するデザイナー貝山伊文紀氏、飛騨産業ショールームにて

1300年以上におよぶ飛騨の匠を源流にする日本有数の家具産地である飛騨高山。その66回目となる産地展「2016飛騨の家具®フェスティバル」が9月7日から11日にかけて開催されました。

多くの家具産地は箱物と呼ばれる箪笥などから始まっているのですが、飛騨高山は大正年間にトーネット型の曲木椅子を生産することから始まった珍しい家具産地です。しかも、当時、西洋型の椅子は日本の生活には馴染んでいないので、販路も北米への輸出から始まっています。

木工の長い歴史があり、街並みも古き良き日本の雰囲気でインバウンドに大人気な飛騨高山ですが、家具の原点は文字通り挑戦でベンチャー事業だったということです。

今年は飛騨高山の新たなチャレンジとして3つの特別企画が開催されました。今年から始まった「2016飛騨の家具®アワード 家具デザインコンテスト」の中間発表、川上元美さんと佐戸川清さんという35年に渡り飛騨高山とお付合いのあるデザイナーと飛騨高山の次世代リーダー達のトークイベント、旭川デザインウィークでも大きな反響を呼んだ国産材家具サミットです。ご縁あって、これらの企画と実施をお手伝いさせていただきました。

歴史ある飛騨高山にとっての新たな一歩、きっかけになることを願っています。コンテストの結果は11月のIFFT interiorstylelvingで発表される予定です。なかなか面白い結果になっていると思います。ご注目を。

ところで、飛騨高山地域は近くに空港がなく、中核都市である高山までは、東京駅からJRで4時間少々かかります。空路と新幹線が発達した今、東京から最も時間がかかる目的地の一つなのではないでしょうか。また、中核都市である高山市の人口は約9万人ですが、面積は東京都よりも大きく市町村として日本最大、その面積の9割は山林です。

移動に要する長い時間と、北アルプスを一望する壮大なスケールが、東京とは全く違う刺激を与えてくれるのだと思います。そんな場所で、世界に通用するレベルの木製家具が作られており、今回のイベントでも新作が発表されました。

期間中は、飛騨高山が初めてという方を含めて、東京だけでなく旭川からもメディア関係の方が、そして香港、オーストラリア、韓国から家具のバイヤーがいらしていました。せっかくの機会ですし、海外から見た日本の家具への率直な感想と、東京から来たジャーナリストの辛口な感想を聞きました。そして、地元の様々な方とお会いしてお話ししました。

高品質、高い技術、デザインへの評価と共に、皆さんとの会話から「グローカル」という言葉が浮かび上がりました。宿泊先のホテルではフランス語などの外国語の声が目立ちますし、観光スポットは西洋人の方が多い印象です。このインバウンドで賑わう飛騨高山の状況が東京にいると想像できないように、日本人さえ充分に知らない日本の家具はまだまだ可能性に満ちていると思った次第です。

山崎 泰(株式会社JDN 取締役 ブランドディレクター)

山崎 泰 Yasushi Yamazaki

株式会社JDN 取締役/ブランドディレクター

1969年、北海道室蘭生まれ、札幌育ち。北海道大学卒業、心理学専攻。デザインが好きで、空間デザイン最大手の丹青社に入社。1997年に社内ベンチャーとして「JDN」を始める。ゼロから顧客開発し事業成立の中心的な役割を担う。2011年より株式会社JDNの取締役。現在はブランドディレクターとして、コンテストのコンサルティング、取材・執筆、講演なども行う。JAPAN BRAND FESTIVALボードメンバー。趣味はサックス演奏。