DuPont™ CORIAN® NEWS

vol.01

vol.01 Corian® presents ランドスケープ・デザイン対談

ランドスケープデザイナー 長谷川浩己氏×プランニングデザイナー 西村佳哲氏

2012.06.20

軽井沢のハルニレテラスを例に、ランドスケープデザインの仕事を浮かび上がらせたお二人の対談は都会でのランドスケープのあり方へとテーマを進めていく。

オアゾで目指したのは東京のパブリックスペースのモデル

長谷川浩己

長谷川:東京丸の内の北口のオアゾで考えたことは、軽井沢が持つ森の美しさを重視するハルニレテラスとは全く違っていました。都会のビルの配置は、容積率でガチガチに固められているので、建て替えがあっても、ほとんど変わりません。オアゾのランドスケープを考えるときに、僕のイメージの及ぶ範囲は、東京のパブリックスペースのありようだったんです。むこうからオアゾに来た人が、オアゾを出て、丸の内のあっちへ歩いていくかもしれない。だから、人の流れに沿った東京のパブリックスペースの良い意味でのプロトタイプを作りたいと思ったんです。
西村:良い意味でのプロトタイプというのは、もうちょっと具体的に表すと?
長谷川:僕自身で全ての都内にあるパブリックスペースに関わることは、もちろんできません。関わることができるのは東京のごく一部であり、そこを体験する人だけです。

その上で、東京という街中の誰もがアクセスできるパブリックな場所は、どのように展開したら、街自体がもっと楽しくなるのか。楽しいことの一つの事例として、オアゾのランドスケープで何ができるのか。オアゾを考えるにあたって、僕の考えで意識のおよぶ範囲には、東京の街で動いている人たち、体験していった人たちというのがいて、その人たちが落ち着ける、いろいろな種類の居場所を作りたいと考えたんです。こうした居場所が連綿と繋がっているところがランドスケープの面白いところだと思います。

全体像の中で人の動きを考える

オアゾ

長谷川:オアゾがある敷地は東京駅の真ん前です。普通、駅の真ん前の都市広場というと見渡しやすい公共空間をイメージしやすいと思うんですけれども、オアゾはそうではなくて、ちょっと入らないと広場にはなっていません。逆に、そのように囲まれた入っていかないと見つからないような場所をどうやって考えるかがポイントでした。
西村:ポケットパーク的な広場というか。
長谷川:そうですね、ポケットパークといっても、ニューヨークのペイリーパーク()なんかとは違って、さらに閉じている感じですから、コートヤード(中庭)に近いくらいの印象です。

そういった空間をどうデザインしていったらいいのかを考えているときに、頭の中で、もうちょっと大きな全体像を考えて、その中で人の動きを考えています。この全体像というのが、言葉に変換しにくいんですが、僕のイメージでは濃淡のある帯や波のようなもので ── そんな海みたいな全体像があるんです。プライベートなトイレやベッドルームとかが浮かんでいれば、パブリックスペースもあって、グラデーションがついている。その中を回遊しながら、それぞれの場所でできることを考えている。
西村:軽井沢のときも丸の内のときにも、そういう全体像の持ち方は同じで、その中で人の流れや動きを考える。その人たちの居場所をどうやって作るのか、その作り方によって、そこにあった空間との関係がどう変わってくるかということをデザインしているということですね。
長谷川:ええ、そうですね。そういう全体像を思いながら、「公開空地」というのは、東京中に何千とあるんですけれども、その公開空地に対して一つの自分なりの答えのような、その意味で一つのモデルになってくれたらいいな、モデルになり得るものができたらいいな、という思いがありました。

)高層ビルの多い街中にありながらも光が差し込み緑溢れる13メートル×30メートルの小さな公園。
ポケットパークの傑作と評される。

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1965年、米国デュポン社の研究・開発によって生まれたデュポン コーリアン®は、それまで木や金属、タイル、天然石などに限られていた、建築・インテリア分野の新しい素材として世界中で大きな反響を集めました。それから約40年、今では全世界130カ国の人々に愛され、なくてはならない素材として高い信頼をいただいています。
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