こんなにモノが溢れる時代に、それでも私たちが「モノを買う」のはなぜだろう?
物欲…?はたまた必要に駆られて…?「買う」という行為から、その人らしさや考え方が見えてくるような気がします。本企画はいわゆる「私の定番アイテム」紹介ではありません。さまざまな職種の方に「さいきん、買ったもの」をうかがい、改めて「買う」ことについて考える…そんな大げさな話ではなく、審美眼のある方々に「買う」にまつわるお話をうかがう、ちょっと軽めの読み物です。
ひとたび聴くと、頭の中で鳴り続ける言葉と歌声が不思議な魅力を持っている、シンガーソングライターの柴田聡子さん。3月6日にアルバム発売を控える柴田さんが、いろんな人に宣伝したいという、さいきん買ってよかったものを紹介してくださいました!
Petersonのクリップチューナー
去年の11月終わりくらいにAmazonで買った「Petersonのクリップチューナー」です。このチューナーは本職のローディーさんが使うものとして有名らしいんですが、それのクリップバージョンで、クリップチューナー界ではめちゃくちゃ高いやつでございます…。
事務所のスタジオにずっと置いてあるのは知っていたんですが、外観が缶だし、何なのかわからなかったんですよね。もともと3千円くらいのチューナーを使っていたんですが、たまたまレコーディングの時に忘れて、Petersonのチューナーを借りたら、「楽器が変わったのかな?」くらいの音色で衝撃を受けました。…これぜったい買った方がいいと思う!
これを買ってからギターを弾くのが5割増くらい楽しいし、響きが最高です!ほんと事件なくらいで、「なんで今まで持ってなかったんだろう?」って思います。しかもニューアルバムのレコーディングが終わったあとに知ったんです…。いや~ほんと切なかった…(涙)。これを買ったのでまたアルバムつくらないとなって。
チューニングってほんと嫌いだったんですけど、これに出会ってチューニングの意味を知りました。ピッチがすごく取りやすくなって、歌いやすかったりもします。6本の弦が本来はちゃんとチューニングすれば正確に響きあうというか、どの弦を弾いても6本のどれかは共鳴して、その共鳴がめちゃくちゃきれいで雑味がないから歌とか歌いやすいのかな。リズムの取り方も変わるくらいです。
「買い物」について
目的を決めて買い物をすることが多いので、時間がかかりますね。買うときはけっこう調べるほうですけど、疲れてしまって結局買わないっていうのが最近多い気がします。でも機材に限っては金銭感覚が崩壊してて…。たぶんお仕事道具ってみなさんそうかなと思いますけど、高いとか関係なくバリバリ買ってしまいます。
自分の作品はそれこそ、いちばん聴きやすい形で買ってくれれば、結局なんでもいいかもしれません。いま、買うっていうことが多様化しすぎてて、音楽も。私はフィジカルが大好きですけど、そうじゃない人もいっぱいいるんだろうなって思うので。「Youtubeで聴きました」っていう感想もうれしいんですけど、お金出して買わないとわからない良さもあると思うので、とりあえず買ってくれさえすればいいかなと。でもまあ、こっち側がみせていくしかないですね!
缶の裏には、「ぜったい失くしたくないので、貼ってます!」という、〇ックリマンチョコ風のステッカー。失くしたら不安で動悸がしそう…!と話していました。
タイトル画像:岡村優太