新たなデザイン整備へ

新たなデザイン整備へ

これまでの生涯でも一番忙しい日々が続いています。先月のJIDAの北陸支部のフォーラムでもお話しさせていただきましたが、いっとき日本デザインコンサルタント協会(JDCA)に所属した以外は、どの組織にも所属せず自分なりのスタイルで30年間貫いてきました。ありがたいことに横浜や新宿、世田谷、汐留、そして富山でデザインインフラの整備の機会をいただき邁進してきました。

すでにお知らせの通り、4月から富山県総合デザインセンターの所長となり、2015年の秋からは富山県近代美術館、現・富山県美術館の副館長となり、また自分の会社もあり(代表は譲りましたが)想像を絶する忙しさです。それというのも、この10年間で一変した情報化社会による価値軸のパラダイムシフトに起因します。いつのまにか過去のスキームは陳腐化し、年齢や性差や専門領域、民族を越えた新たな脳の交流が必要になってきました。縦型組織ではなく、横断型のプラットフォームが必要とされています。

富山県総合デザインセンター

富山県総合デザインセンター

富山県総合デザインセンターに隣接して整備している新施設は、クリエイティブデザインハブ(略称C.D.HUB)と決まり、来月11月15日にオープンいたします。同時に、これまでデザインライブラリーだった場所は、クリエイティブサロンに改装して交流の拠点となります。新たな施設では富山県のリソースを再編集して、デザインの力による新たな産業を創出する研究開発を計画しています。

富山県美術館では、開館記念展Part2として「素材と対話するアートとデザイン」と「ワールド工芸100選」展を準備しています。

富山県美術館開館記念展 Part2「素材と対話するアートとデザイン」

富山県美術館開館記念展 Part2「素材と対話するアートとデザイン」

「ワールド工芸100選」展

「ワールド工芸100選」展

一つの展覧会でも大変な上に、同時期にデザインセンターとあわせて4つのイベントや展覧会を担当。これまでにない過酷な状況です。どれもが新たなデザインの環境整備に繋がり、次のステップを構築する要素なので、一つとしておろそかにできません。ポジティブに受けて、新たな機能強化に向けて邁進していきます。

この10月から11月はさまざまな記念フォーラムやイベントが続きます。ネット上で詳細をあげますので、時間を許したらご高覧、ご参画いただきご意見をいただければ幸いです。

富山デザインコンペティション
https://dw.toyamadesign.jp

富山県総合デザインセンター クリエイティブデザインハブ
http://www.toyamadesign.jp

富山県美術館
http://tad-toyama.jp

国際北陸工芸サミット
https://kogeisummit.jp

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹(デザインディレクター)

株式会社TRUNKディレクター、富山県総合デザインセンター所長、富山県美術館副館長。

30年に渡ってデザインの可能性を探り、さまざまな基盤や領域の活動を実践。特に1993年から今日まで「富山県総合デザインセンター」で地域のデザイン振興に携わり、商品化を前提とした「とやまデザインコンペティション」を企画・実施。地域の資産を生かした「幸のこわけ」の企画・商品化で成果を創出。

これまで、YCSデザインライブラリーや富山県総合デザインセンターなどのインフラ整備に参画。展覧会では「ニューヨーク近代美術館巡回 現代デザインに見る素材の変容(1996)」「イタリアデザインの巨匠/アキッレ・カスティリオーニ展(1988)」「日蘭交流 400周年記念 DROOG & DUTCH DESIGN展(2000)」「イタリアと日本 生活のデザイン展(2001)」「80歳現役デザイナー長大作展(2001)」他多数。ミラノデザインウィークでは2005年よりレクサス、キヤノン(エリータデザインアワード2011グランプリ受賞)、アイシン精機(Milano Design Award 2016 Best Engagement by IED受賞)、セイコーウオッチ「THE FLOW OF TIME」を総合プロデュース(2018)。メゾン・エ・オブシェでは、JETRO広報ブース「Japan Style」、伝産協会の海外販路プロデューサーを担う。「2015年ミラノ国際博覧会」日本館広報・行催事プロデューサー(金賞受賞)。共書「ニッポンのデザイナー100人」(朝日新聞社)。経済産業省「世界が驚く日本2016」研究会座長ほか。

http://www.trunk-design.jp/