国際北陸工芸サミット

山野英之氏(TAKAIYAMA inc.)にロゴデザインを依頼 山野英之氏(TAKAIYAMA inc.)にロゴデザインを依頼
2017/5/10 16:25

新たなアプローチを開始した。工芸(KOGEI)が特別なものとして扱われ、私たちの生活と距離が生まれつつある。日常生活で工芸を必要とする機会は、確かに少なくなっている。人生を重ねないと工芸=ものづくりの精神性に関心を寄せる時間と余裕がもてない現代社会の様相を知らないわけではない。しかし、改めて工芸と接してみるとハンドメイドで作られた存在感、ものづくりの歴史や技の伝承、そして知恵の世界に驚きを覚える。

文化庁と北陸三県が連携し、北陸の工芸の魅力を世界に発信する「国際北陸工芸サミット」が今年富山県で開催される。コア開催期間を11月16日~23日とし、期間中や期間の前後にはさまざまなイベントや展覧会が行われる。

その中でも特に注目してもらいたいのは、工芸の世界をもっと話題の舞台にあげるために実施する「U-50 国際北陸工芸アワード」だ。審査委員は青柳正規元文化庁長官を筆頭に、世界の美術館やデザインセンター、教育機関の専門家に依頼した。視野角が広く工芸を捉えることのできる方々だ。

写真は、昨年9月に前哨戦として開催された「富山国際工芸シンポジウム」

写真は、昨年9月に前哨戦として開催された「富山国際工芸シンポジウム」

ぜひ、ものづくりに従事されている工芸作家はもとより、デザイナーや企業内グループなど、若干の参加条件はあるが奮って応募、参加してほしい。一時審査会の登録申請は、5月31日いっぱいです。詳しくは、公式サイトをご覧いただきたいが、ザッとこんな流れです。

(1)応募登録:2017年4月18日(火)~5月31日(水)23:59まで
(2)1次審査用提出物の提出締切:2017年6月19日(月)
(3)1次審査結果発表:2017年7月中旬
(4)作品受付締切:2017年8月中旬(富山県への到着)
(5)2次審査結果発表:2017年9月上旬
(6)「協同創造プログラム」:2017年9月~10月の1週間程度
(7)最終審査:2017年11月22日(水)
(8)表彰式:2017年11月23日(木・祝)
(9)展覧会:2017年11月16日(木)~2018年1月8日(月)

https://kogeisummit.jp

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹(デザインディレクター)

株式会社TRUNKディレクター、富山県総合デザインセンター所長、富山県美術館副館長。

30年に渡ってデザインの可能性を探り、さまざまな基盤や領域の活動を実践。特に1993年から今日まで「富山県総合デザインセンター」で地域のデザイン振興に携わり、商品化を前提とした「とやまデザインコンペティション」を企画・実施。地域の資産を生かした「幸のこわけ」の企画・商品化で成果を創出。

これまで、YCSデザインライブラリーや富山県総合デザインセンターなどのインフラ整備に参画。展覧会では「ニューヨーク近代美術館巡回 現代デザインに見る素材の変容(1996)」「イタリアデザインの巨匠/アキッレ・カスティリオーニ展(1988)」「日蘭交流 400周年記念 DROOG & DUTCH DESIGN展(2000)」「イタリアと日本 生活のデザイン展(2001)」「80歳現役デザイナー長大作展(2001)」他多数。ミラノデザインウィークでは2005年よりレクサス、キヤノン(エリータデザインアワード2011グランプリ受賞)、アイシン精機(Milano Design Award 2016 Best Engagement by IED受賞)、セイコーウオッチ「THE FLOW OF TIME」を総合プロデュース(2018)。メゾン・エ・オブシェでは、JETRO広報ブース「Japan Style」、伝産協会の海外販路プロデューサーを担う。「2015年ミラノ国際博覧会」日本館広報・行催事プロデューサー(金賞受賞)。共書「ニッポンのデザイナー100人」(朝日新聞社)。経済産業省「世界が驚く日本2016」研究会座長ほか。

http://www.trunk-design.jp/