The next frontier in mobility

The next frontier in mobility

32回目のミラノサローネ(ミラノデザインウィーク)に来ています。私の人生に大きな影響を与えた展示会です。デザインを通じて、その背景にある産業や経済、さらには文化まで透察できる機会です。2005年から日本の大手企業のブランディングを開始して、すでに多くの実績を作ってきました。

アイシン精機ブース、エントランス

モノが主役だったミラノサローネにブランディングのスタイル(展覧会の手法)を持ち込んだ一人だと自負しています。また、若手有望な建築家やデザイナーを孵化する機会としても多くの人材を輩出してきました。この体力を要する巨大な機会にあと何年関かわるのか、私の立ち位置も含めて、次の人材の育成にも力を注がなくてはなりません。

今回プロデュースしているのは、3年目となるアイシン精機です。テーマは「The next frontier in mobility」。「自動運転」「コネクティッド」「ゼロエミッション」という3つの技術領域への取組みをクリエイターそれぞれの視点で表現してもらいました。

「Transfer/阿部伸吾、遠藤豊」

「Transfer」。2Kの映像を投射した作品。「自動運転」「コネクティッド」「ゼロエミッション」など、次世代の新たな技術を投影

「Visible Motion/吉泉聡」。人とモビリティの関係の創造を想起させるインスタレーション作品。美しい車の動きを「気配」として感じさせます

「Visible Motion」。磁性流体にできるタイヤ痕は、4台の走行ロボットによってデザイン。写真は作品内部の構造部分

クルマを取り巻く環境は、これからの10年で大きく様変わりします。クルマ産業に従事している多くの部品供給会社(サプライヤー)には、先行き不安要素が立ち上がります。しかし独自のコアコンピタンスがあれば、次の時代に行くことが許されます。そういう意味では、現行のクルマ部品3万点の60%を担うアイシンの技術や実績は頼もしい限りです。しかし、縁の下で産業を支えていた役割から社内の意識改革や対外的なブランド力を問い直していかなくてはならなくなっています。ミラノサローネはそんな意味でも重要なミッションです。

「Cocoon/吉本英樹」。マユをイメージした未来のクルマ。人とクルマの関係がもっと親密で心の通うものをイメージ

「Cocoon」。無数の糸とLED基盤により構成されています

幸いにも、今回は吉泉聡、吉本英樹、阿部伸吾、遠藤豊、森ひかるといったツワもの達を集結することができ、未知の世界に踏み込むことができました。どんな評価がいただけるのか楽しみです。また、この作品(デザイン)を支えてくれた最強のメンバー達にも感謝したいと思います。それでは会場へ向かいます。

アイシン精機 出展詳細
http://www.aisin.co.jp/news/2017/010578.html

また近況についてもうひとつご報告です。1993年から富山県のデザイン振興に注力してきましたが、本年4月1日より富山県総合デザインセンター所長を任命されました。富山県美術館副館長と兼任というのは世界でも初めてかもしれません。

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹(デザインディレクター)

デザインディレクター、富山県総合デザインセンター所長、富山県美術館副館長。

30年に渡ってデザインの可能性を探り、さまざまな基盤や領域の活動を実践。特に1993年から今日まで「富山県総合デザインセンター」で地域のデザイン振興に携わり、商品化を前提とした「とやまデザインコンペティション」の企画・実施。地域の資産を生かした「幸のこわけ」の企画・商品化で成果を創出。

これまで、YCSデザインライブラリーや富山県総合デザインセンターなどのインフラ整備に参画。展覧会では「イタリアと日本 生活のデザイン展」「80歳現役デザイナー長大作展」「第21回ミラノトリエンナーレTOYAMA JAPAN」他多数。ミラノデザインウィークではレクサス、キヤノン(エリータデザインアワード2011グランプリ受賞)、アイシン精機(Milano Design Award 2016 Best Engagement by IED受賞)。メゾン・エ・オブシェでは、JETRO広報ブース「Japan Style」、伝産協会の海外販路プロデューサーを担う。「2015年ミラノ国際博覧会」日本館広報・行催事プロデューサー(金賞受賞)。共書「ニッポンのデザイナー100人」(朝日新聞社)。経済産業省「世界が驚く日本2016」研究会座長ほか。

http://www.trunk-design.jp/