2つのコンペ

2つのコンペ

現在、2つのコンペの真っ只中にいます。

ひとつは「富山デザインコンペティション」。デザイナーの間ではすでに認知されたコンペです。1993年に富山県からインダストリアルデザインセンターの企画部長を委嘱され、現地に赴任して知ったのは、地元にデザイナーがいない(10名未満)ことでした。これでは戦場で武器なしで戦えと言っているのと同じです。そこでいろいろ考えて起案し、翌1994年からスタートしたのが「富山プロダクトデザインコンペティション(当時の総称)」です。

これまで約7,500人に応募いただき、新人デザイナーの登竜門として、澄川伸一さんや柴田文江さん、橋田規子さんなど、現在の教育や産業を支える方々にも果敢に挑戦していただきました。第24回となる今回のコンペのテーマは「道具と生活」。日常使用している道具にフォーカスを当てたいと思います。このコンペの上位入賞作品を対象に商品化支援、流通支援を行っており、デザインセンター内の最新設備や専門会社に依頼して試作、検討が行われます。さらに今年からは、6月に東京ビックサイトで開催される「interiorlifestyle TOKYO」へ出展し、応募デザイン、デザイナーを厚く支援していきます。

https://dw.toyamadesign.jp/

2つ目が前回のコラムでも紹介した、国際北陸工芸サミットのプログラムのひとつ、「U-50国際北陸工芸アワード」です。5月末で締め切ったところ、403件のエントリーがありました。募集期間1ヶ月半という短い時間でしたが、海外から33カ国243件の登録があり、国内からは160件です。

このアワードは工芸の確認であり、再考であり、新たなハンドメイド文化のスタートでもあります。今回のアワードを通じて50歳以下=これからの工芸作家や工芸に携わるモノづくりと人とのネットワークが形成され、認識を深める機会となれば良いなと思っています。

https://kogeisummit.jp

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹(デザインディレクター)

株式会社TRUNKディレクター、富山県総合デザインセンター所長、富山県美術館副館長。

30年に渡ってデザインの可能性を探り、さまざまな基盤や領域の活動を実践。特に1993年から今日まで「富山県総合デザインセンター」で地域のデザイン振興に携わり、商品化を前提とした「とやまデザインコンペティション」の企画・実施。地域の資産を生かした「幸のこわけ」の企画・商品化で成果を創出。

これまで、YCSデザインライブラリーや富山県総合デザインセンターなどのインフラ整備に参画。展覧会では「ニューヨーク近代美術館巡回 現代デザインに見る素材の変容(1996)」「イタリアデザインの巨匠/アキッレ・カスティリオーニ展(1988)」「日蘭交流 400周年記念 DROOG & DUTCH DESIGN展(2000)」「イタリアと日本 生活のデザイン展(2001)」「80歳現役デザイナー長大作展(2001)」他多数。ミラノデザインウィークではレクサス、キヤノン(エリータデザインアワード2011グランプリ受賞)、アイシン精機(Milano Design Award 2016 Best Engagement by IED受賞)。メゾン・エ・オブシェでは、JETRO広報ブース「Japan Style」、伝産協会の海外販路プロデューサーを担う。「2015年ミラノ国際博覧会」日本館広報・行催事プロデューサー(金賞受賞)。共書「ニッポンのデザイナー100人」(朝日新聞社)。経済産業省「世界が驚く日本2016」研究会座長ほか。

http://www.trunk-design.jp/