第7回:週末でつくる紙文具

第7回:週末でつくる紙文具

今回ご紹介するのは、編集者/文具プランナーの永岡綾さんがつくる紙文具です。永岡さんはイギリスで手製本を勉強されたのち、本づくりや文具にまつわる執筆、編集、制作などの活動を続けていらっしゃいます。海外で集めた古い紙や本などの小道具もたくさんお持ちで、以前お仕事をご一緒したときにはそれらの私物でセンスよくスタイリングしていらしたのが印象的でした。

最近、ご自身の著書のために、オリジナルの紙文具をまとめて制作されたということで、見せていただきました。ノート、箱、ファイルなど、紙製の文房具がずらり。紙を束ねるだけの簡単なものから、手製本の技術を使ったものまで、バリエーション豊かな文具が並びます。「紙でできる文具ってこんなにあるんだ!」と、新鮮な気持ちになりました。

サイズや紙の枚数、デザインなどを変えられるのがオリジナル文具のよいところ。「文具は既製品を買うのが当たり前ですが、実は、紙でできた文具の多くは、自分の手でつくることもできます」と永岡さん。自分が使いやすいようにカスタマイズできるのも加工がしやすい紙ならではの魅力です。永岡さんがつくった紙文具は、以下の5種類。

MEMO PAD

リユースできるメモパッドで、紙を綴じて、割りピンでとめただけの超簡単なもの。家にある紙でパッとつくれます。スタンプで押した番号がデザインのアクセントに。

MEMO PAD

MEMO PAD

STICKY NOTES FOLDER

付箋フォルダー。使いたい付箋を好きなようにストックしておけるフォルダーです。付箋のほか、クリップなども挟めます。蛇腹折りにしてコンパクトになるので、持ち運びにも便利です。

STICKY NOTES FOLDER

STICKY NOTES FOLDER

NOTE BOOK

三分割ノート。使いやすいように分割する数やサイズをカスタマイズしてもOK。上の「STICKY NOTES FOLDER(付箋フォルダー)」とドッキングさせて1冊にまとめると便利かも?

NOTE BOOK

NOTE BOOK

NOTE BOOK

NOTE BOOK

RECEIPT ORGANIZER

領収書オーガナイザー。アコーディオンのように180度開くので、領収書の収納に便利です。既製品もありますが、自分でつくれば、ポケットの数やサイズの調整も自由自在。

RECEIPT ORGANIZER

RECEIPT ORGANIZER

COLLAGE BOOK

フランス装のコラージュブック。半透明のグラシン紙と台紙を交互に重ねて糸でかがり、フランス装の表紙をつけています。色違い、柄違いでつくっておいても素敵です。

COLLAGE BOOK

COLLAGE BOOK

COLLAGE BOOK

COLLAGE BOOK

これらのアイテムは、特別な材料や道具などは使わず、自宅にある紙や画材屋などで買える紙でつくれるもの。同じ紙が手に入らなくても、同じくらいの厚さの別の紙でも代用できます。

すべて1点もののため販売はされていませんが、永岡さんの著書『週末でつくる紙文具 書く、整理する、保存する——目的別・30種類のつくり方』の中でつくり方を紹介しているので、ぜひ自分だけの文具づくりにチャレンジしてみてください。無心になって制作に没頭でき、出来上がったときの達成感は格別です。

『週末でつくる紙文具 書く、整理する、保存する——目的別・30種類のつくり方』
永岡綾 著、グラフィック社 刊
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=35834

※(すべての写真撮影:清水奈緒、『週末でつくる紙文具』より転載)

宮後優子(グラフィック社)

宮後優子(編集者/Book&Designディレクター)

宮後優子(みやご・ゆうこ)
編集者/Book&Designディレクター。東京藝術大学で美学美術史を学んだ後、出版社の編集者に。デザイン専門誌『デザインの現場』編集長を経て、文字デザイン専門誌『Typography』を創刊。デザイン書編集者として20年近く活動。デザイン関係の雑誌・書籍・ウェブサイトの編集のほか、イベントやワークショップなどの企画・運営を行う。
http://typography-mag.jp
http://book-design.jp