
写真評論家・飯沢耕太郎の膨大なコレクションの中から662冊をセレクトした『写真集の本』。江戸末期のイノベーターから2020年の内モンゴル自治区出身の写真家のものまで、各時代の「写真の現在」が俯瞰できる内容となっています。
本書では、東京・恵比寿にある「写真集食堂めぐたま」の蔵書から、これまであまり取り上げられてこなかったアンソロジーやシリーズを含め、日本の写真集662冊を選び、解説をつけて紹介。写真集の表紙やページをそのまま複写した図版を添えることで、その装丁や内容が伝わるように編集されています。編集・デザイン・印刷されたモノとしての「写真集」のコレクション・ガイドにもなります。
共著には若手写真評論家の打林俊、構成・デザインは、つくば写真館85の『パリ-ニューヨーク-東京』を手がけた中村善郎が担当しています。
飯沢耕太郎(著者)コメント
本書で取り上げているのは「日本の写真集」である。日本人が撮影し、国内で編集・発行された写真集が基本だが、外国の出版社で刊行された日本人の写真集もある。さらに外国人が日本国内で撮影した写真集も含む。
「日本の写真集」の素晴らしさ、レベルの高さは特筆すべきものがある。日本の写真家たちは、写真集を自らの作品世界を展開する最終的な媒体と捉え、制作に全精力を傾けてきた。その厚みと広がりは、世界的に見ても比類がない。
「日本の写真集」の特徴はなんだろうか。一言でいえば写真家たちの「生の器」としての役割を果たしているということに尽きる。彼らの生のあり方は多種多様だが、各時代に個性的な写真家たちがひしめきあい、グラフィックデザイナーや編集者、印刷業者らとの共同作業によって、多彩な貌つきの写真集をつくり上げられてきた。
発行 | 株式会社カンゼン |
---|---|
著者 | 飯沢耕太郎、打林俊 |
構成 | 中村善郎 |
仕様 | B5判、212ページ |
価格 | 2,420円(税込) |
ISBN | 9784862556141 |