JR東日本「山手線Ver.2020by東京感動線」

“ちょっとだけ未来の山手線”を期間限定で体験

2020年2月3日から2月17日まで、期間限定で“ちょっとだけ未来の山手線”が都内を走っていたのをご存知でしょうか?

これは、JR東日本が新たな乗車体験の提供と、車両メディアの新たな価値創造を目指したプロジェクトです。高輪ゲートウェイ駅開業を間近に控え、「過去から未来にむけた、東京のまちと山手線、そこに集う人々」をテーマに、通勤電車内で初の試みとなる「山手線ラジオ」や「山手線 AR」、「電子ペーパー中づり」など6つのコンテンツが実施されました。

中づり広告と車体ラッピングのアートディレクションを担当したのは、デザインチームのminna(ミンナ)。minnaの長谷川哲士さんに、プロジェクトで表現したコンテンツや手法などをお聞きしました。

■プロジェクトの背景・コンセプト

利便性の象徴的存在である「山手線」と「車両」の価値を改めて見つめ直し、「どうしたらお客さまの日々の移動体験を、より快適に、楽しく、心動かされるものに進化させることができるのか?」、乗客と通勤電車の関係性を徹底的に考え直すことからスタートした本企画。minnaは、中づり広告と車体ラッピングのデザインを担当しました。

「山手線Ver.2020by東京感動線」車内の様子

「山手線Ver.2020by東京感動線」車内の様子

■手法・特徴

中づり広告では、現代の東京を盛り上げてきたワクワクカルチャーニュースをコンテンツとしました。「あ~、そういえばこんなことあった!」と、老若男女問わずに「東京を語るキッカケ」をつくることを目指し、山手線の歴史と共に振り返る広告をつくりました。

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

各時代の特徴的なニュースについて、イラストを描きおろしていただいたのは、イラストレーターの白根ゆたんぽさん。時代ごとに移り変わるファッションの変遷も表現しています。

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

「山手線Ver.2020by東京感動線」中づり広告

中づり広告の一部には、大日本印刷株式会社の電子ペーパーを使用し、紙なのに変化するという広告の新しい演出方法も提案しました。運行期間中には「#東京感動線」「#山手線を語ろう」の2つのハッシュタグをつけてTwitterに投稿すると、トレインチャンネル(ドア上・左側のモニター)に投稿の一部が放映されるというキャンペーンも実施しました。

今回のアートディレクションの一番のポイントは、山手線の歴史を車体の色のグラデーション(山吹色~鶯色~黄緑)に置き換えて、中づりなどのデザインに反映したところです。また、年代の数字などには、環状線(円弧)をモチーフとしたオリジナルフォントを作成して使用しました。

また、車体は、未来に向けた山手線の想いのコピーを纏っています。コピーは「東京のワクワクとあなたがつながる超山手線」、「山手線は、山手線を超えてゆく」など4種類+東京感動線ロゴの合計5種のステッカーでの車体装飾でした。「山手線Ver.2020by東京感動線」は期間限定で、しかも1編成のみの運行だったため、見かけた、あるいは乗車した方はラッキーかもしれません!

スタッフ

<クライアント>
東日本旅客鉄道株式会社

<エージェンシー>
株式会社ジェイアール東日本企画

<企画・プロデュース・クリエイティブディレクション>
株式会社ディーランド

<車体デザイン・中吊りデザイン>
・アートディレクション・デザイン/株式会社ミンナ
・イラスト/白根ゆたんぽ
・電子ペーパー製作/大日本印刷株式会社

<映像制作>
サンディ株式会社

<車窓デザイン>
・イラスト/YORIKO
・キャプションデザイン/高仲明彦

<山手線RADIO制作協力>
株式会社J-WAVE

<山手線AR制作協力>
・有志団体Deep4Drive
・一般社団法人Deep4Drive MI Hub

<スチール撮影>
広川智基