トルトーナの学園祭を思わせる喧騒とは対照的に、ベテランのデザイナーたちの展示が集まるブレラ地区。毎年同じ場所で個展を開くデザイナーたちも多く、そのクォリティーの高い展示は、アートギャラリーに近い印象を見る者に与えます。かと言って、さほど敷居の高いものでもなく、仕事の後にハッピーアワーで一杯引っ掛けるついでに、ほろ酔い気分で訪れることの出来る気軽さが、この地区の魅力となっています。
公園を散歩する人が途中で立ち寄れる、閑静な通りに面した会場で行うIngo Maurer[写真1、12-17]の展示はその典型といえます。また、Design Gallery Milano[写真2、3-5]では、普段中々目にする機会のない作品も見れました。イタリアンデザイン黄金期の風格漂う巨匠たちが、過去から現在までに手かげた作品など、見どころ満載の展示となっていました。
ブレラ地区の展示は、サローネの中でもゆったりとした空気の流れがあるのが特徴です。この付近にある家具メーカーのショールームも、その地区の特性を理解しており、ディスプレイも空間全体の雰囲気を作り上げることを重視しています。ブレラ地区の展示は、フィエラ会場の展示とはまた違った空気の中で作品を見ることが出来ます。
全5回のレポートの最後となる次回は、2年に一度のエウロ・クチーナ(ユーロ・キッチン)についてレポートします。
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 【1】Ingo Maurer個展。
 【2】Design Gallery Milano
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 【3】Andrea Branzi,Michele De Lucchi,Alessandro Mendini,Ettore Sottsassらの過去から現在までの作品を選んで展示。
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 【4】実際に目の前にあると、ものすごい迫力と質量感です。 |
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 【5】思わず口元が緩んでしまうフラワーベース。 |
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 【6】3SPIRITSと題された Emmanuel Babled,Paolo Giordano,Richard Huttenによる展示。 |
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 【7】国籍が異なる3人のデザイナーの展示ですが、調和の取れた空間になっていました。 |
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 【8】Paolo Giordanoの新作ローテーブル。 |
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 【9】中央右がPaolo Giordano氏。 |
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 【10】Richard Hutten氏とその作品。 |
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 【11】Emmanuel Babled氏(右手中央)と新作のランプとローテーブル。 |
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 【12】Ingo Maurer個展入り口。 |
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 【13】昨年の新作、漁夫の涙。この作品には今にも雨が降り出しそうな曇り空が良く似合います。 |
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 【14】展示風景。 |
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 【15】レセプション。 |
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 【16】技術と遊びの狭間を行き来する面白さがIngo Maurerの作品の魅力です。 |
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 【17】OLEDを使用した新作。 |
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 【18】nendoの個展、”chair garden”。 |
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 【19】nendoが手がけた作品のミニチュアモデル。 |
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 【20】以前から気になっていたCord Chair。実際に試せなかったのが少々残念。 |
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