去年に引き続き、今年もミラノで行われた世界最大規模の国際家具見本市、通称<ミラノサローネ>のレポートを、全5回でお届けします。第1回目となる今回は、今年の傾向についてお伝えします。
今年のミラノサローネの傾向
言わずと知れた世界最大規模の国際家具見本市、通称・ミラノサローネ。このミラノ市全体で行われるイベント期間中は、デザイナー・バイヤーのみならず、一般市民をも巻き込み、街の至る所でお祭り騒ぎが繰り広げられます。
去年のサローネも不況の影響が色濃く見られましたが、今年も昨年に引き続き、どの大手家具メーカーも新作の発表を更に手控えていた様子。例年以上に既存のモデルのカラーチェンジやリメイクの比重が高かった今年、新作のデザインの傾向としては、シンプルで、素材感や構造を活かしたデザインと、有名デザイナーによるアーティスティックなデザインの2つに系統がハッキリ分かれていたように見受けられました。
セメントを台座部分に使用したガラステーブルを発表したMolteni&C [写真01、03-05]や柔らかな印象のフェルト素材のソファをメインにしたB&B Italiaなどは前者、Gaetano Pesceを筆頭に奇抜なデザインを全面に押し出すMERITALIA [写真02、06-08]やCampana兄弟によるコレクションを引き続き発表したEdra [写真12-14]は後者に当たるものの、同時に多くのコレクションを一般に受け入れられやすい形や配色にしてリメイクし、多くの企業同様、この不況を乗り切るために手を尽くしている様子が伺えました。
次回は、恒例のミラノ大学構内で行われた、INTERNI主催のイベント「THINK TANK」についてレポートします。
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 【1】Molteni&C の新作、ARC。
 【2】MERITALIAのショールーム前に置かれたGaetano Pesceの新作。かなり不気味な座り心地でした。
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 【3】デザインは建築事務所のFoster+Partnersが手がけ、セメントの特長を活かした表面の仕上げにもこだわりが見えます。
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 【4】同じファブリックを使用したソファも展開している、柔らかな印象のシリーズ。 |
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 【5】Patricia Urquiolaの”Net-Box scriva”。 |
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 【6】MERITALIAのショールーム内。 |
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 【7】Gaetano Pesceの新作ソファとクッション。 |
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 【8】Lapo Elkannのランプシリーズ。 |
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 【9】arflexショールーム。 |
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 【10】arflexの新作、ファブリックの素朴な風合いを活かした一人掛けソファ。 |
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 【11】昨年ほどまでの勢いはないものの、エクステリア用の家具もまだまだ人気。 |
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 【12】EdraよりCampana兄弟のブックシェルフとテーブル。 |
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 【13】同じく新作ランプ。 |
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 【14】素材を合皮に変えて新登場したEdraの旧作シリーズ。 |
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 【15】Poltorona Frauの今年のキーカラーはトリコロールの白赤青。 |
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 【16】昨年の新作のぽってりとしたシルエットの椅子はハイバックも登場。 |
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 【17】こちらはPoltorona Frauの今年の新作の”WILLY”。豊富なカラーバリエーションを取り揃えてます。 |
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 【18】CassinaよりGaetano Pesceの名作、Tramonto a NewYorkの対となる新作“Notturno a NewYork”が。 |
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 【19】Cappelliniとディズニーのコラボレーション企画でnendoのリボンチェアが耳付きに。 |
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 【20】今回Cassinaから復刻されたFranco Albiniのロッキングチェア。 |
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