商談ラウンジ、テストキッチン、交流拠点、ショールーム機能を兼ね備えた同施設の背景やコンセプトなどについて、企画・設計を担当した株式会社乃村工藝社にコメントをいただきました。
■背景
クライアントの八幡屋礒五郎様は1736年に長野の地に創業し、「信州土産といえば七味」というイメージをつくり上げた老舗企業です。2024年に七味缶販売100周年を迎えた記念事業の一環として、自社の菓子製造作業室と倉庫を改修し、七味唐からしの研究開発の場をオープンしました。BtoB向けのコラボレーション商品の商談ラウンジとテストキッチン、お客さまや社員同士の交流拠点、ショールーム機能を兼ね備えた新施設です。

自社の製品製造作業室と倉庫を改修し、七味唐からしの研究開発の場として、B to B向けの〈 カスタムブレンドPRO 〉やコラボレーション商品の商談ラウンジとテストキッチン、お客さまや社員同士の交流拠点、ショールーム機能を兼ね備えた新施設へと生まれ変わりました。
■コンセプト
この場の目的は「七味のブレンドを中心としたさまざまなコミュニケーションを生み出す」ことです。多様な切り口から対話を生み出し、風味のイメージを広げる仕掛けがちりばめられています。
中央のキッチンでは顧客と肩を並べて調理をしたり、カウンターで対面しながらイメージに合う七味を調合することが可能です。アイテムライブラリーは自社製品やこれまでにコラボレーションした商品をアーカイブし、プロダクトの幅広さを一目でわかるものになっています。また、スパイスギャラリーでは、40種近くの素材を紹介。掛け合わせる食品に最もマッチするものを探し、知らなかった素材と出逢える展示が用意されています。

アイテムライブラリー
デザインは、目玉商品である七味缶をモチーフに、ゴールドをポイントカラーとしてあしらい、老舗らしい落ち着きのある木調を組み合わせて、さわやかなラボ空間にしました。楕円形のサインや引き出しの指かけなど、七味缶の振り出し口の楕円を模しているものが隠れています。
■課題となった点、手法、特徴
八幡屋礒五郎様では、これまでにおよそ300件の企業コラボ商品を発表されており、近年では国内外の企業向けのプロジェクトが増加しています。今や、取り扱うスパイス素材の種類は40種近く増え、「キャラクターをイメージする味をつくってほしい」など、オーダー内容も多岐にわたります。
今までは店舗の一角で行っていたカスタムブレンドですが、ゆっくりと腰を据えてビジネスの対話をする場が必要となりました。カウンターの調合台は、200年前から使用されてきた調合箱をモチーフにするなど、受け継がれてきた伝統を、現代のビジネスの場にも置き換えました。

カウンターに設えた調合台
加えて、家族経営で切り拓いてきた企業史や、歴代商品などを発信するためのショールーム機能も併せ持つ一方で、社内懇親会などの用途でも使用できるように、可動式のオリジナルテーブルを組み合わせてフレキシブルに利用していただけるものになっています。
| 所在地 | 長野県長野市柳町83 |
|---|---|
| 企画・基本構想 | 株式会社乃村工藝社 |
| 設計 | 北野建設株式会社/株式会社乃村工藝社 |
| 施工 | 北野建設株式会社/株式会社乃村工藝社 |
| 敷地面積 | 497.11m2 |
| 延床面積 | ラボ面積202m2 |
| 竣工日(開業日) | 2025年3月19日 |
| 撮影 | 澤近勝利 |




