ザ テンダーハウス

自然光を取り入れた、抜け感を意識した複合型施設

デザインコンセプト
担当:株式会社乃村工藝社

白金台・プラチナ通りのレストランが立ち並ぶエリアに計画されたプロジェクト。「日本に新しい豊かさと上質のスタンダードを ~THE Quality&Status~」をテーマとしています。自然光を取り入れた開放的な構造の施設内は、インテリアに多くの自然素材や南米のテイストを用いながらもモダンな空間に仕上げています。

コンプレックスダイニングとして、街のランドマークとなることを目指し、基本設計とデザイン監修に携わりました。建築には「抜け感」が求められたため、ファサードは抜け感と遮蔽のためのセメントの折石、そして風と光に浸食されたような素材感を演出しています。これはインテリアのデザインキーワードである「南方の乾いた土地」の空気感を生むことにも貢献しています。

外部から流れ込む風や光、緑や水を感じられるようなインテリアの一元性を実現するため、内装デザインから植栽・アートワークの選定を行いました。外から見た際、テラスまで連続する内装デザインは植栽計画とあわさってファサードを彩る要素の一つとなります。建築ファサードは内部空間からの借景となり、内と外が引き立て合うことでこの空間が成り立っています。

施設内にはモーニングからディナーまでを提供するオールデイダイニングや、プライベート空間で楽しめる鉄板焼き、2つのバンケット、チャペルを展開。施設内の厨房はすべてウォークインまたはオープンキッチンを採用しました。チャペルやバンケットの前室はガラスで仕切り、施設内でも視線の抜けや空間の連続性を重視しています。

通りに対して開放的であることに加え、すでに経年変化したような素材が生み出す表情で、昔から存在していたような雰囲気を醸し出しています。

所在地 東京都港区白金台
オープン 2015年8月
ディレクション 小坂竜 / 株式会社乃村工藝社 A. N. D.
デザイン・設計 建築:飯泉博之、インテリア:齋藤玲子、久兼将弘 / 株式会社乃村工藝社
制作・施工 出井敬二 / 株式会社乃村工藝社
営業 竹中久恭、北井琢也 / 株式会社乃村工藝社
撮影 ナカサ&パートナーズ