10月29日に東京・丸の内に新しくオープンした「GOOD DESIGN Marunouchi」。ここは日本を代表するデザイン賞である、グッドデザイン賞の新拠点となる場所だ。

デザインと社会をつなぐ場「GOOD DESIGN Marunouchi」

GOOD DESIGN Marunouchiは、社会へのデザインの紹介と普及を手がけてきたグッドデザイン賞を通じ、これからの社会に向けた提案やさまざまな人々との交流を行う場として開設された。誰でも気軽に訪れることのできるコミュニケーションスペースとしての役割を持っている。

そもそもグッドデザイン賞とは、良いデザインを選び、顕彰することを通じてくらしや産業、そして社会全体をより豊かなものへと導くことを目的とした「総合的なデザインの推奨制度」のことだ。1957年に通商産業省（現経済産業省）によって創設され、以来約60年にわたって実施されてきた。受賞対象は製品に限らず、プロジェクトなどの取り組みも含まれる。これまでに4万点以上が受賞しており、受賞したデザインには「Gマーク」がついているのが特徴。

GOOD DESIGN Marunouchiのロゴは廣村正彰氏によるもの

デザインはどんな未来を描けるか、「近未来の手ざわり」展

オープニング展示として開催されている「近未来の手ざわり」展は、「身の回りや社会全体に存在するさまざまな課題に対して、デザインでどのような未来を描けるか？」をテーマに、約40点のグッドデザイン賞の受賞作品を展示するものだ。生活の中の小さな気がかりを取り除き、心地よさや新しい感覚をもたらしてくれるデザインから、これからの社会のプラットフォームとなる可能性をもつデザインなどが並ぶ。

受賞製品は一部を除き、触れて体験することもできる。

「BOCCO / ユカイ工学株式会社」留守番中の子どもの見守りを助けるコミュニケーションロボット

「パーソナルモビリティ WHILL Model A / WHILL 株式会社」2015年度グッドデザイン大賞を受賞したパーソナルモビリティ

「JINS MEME / 株式会社ジェイアイエヌ」心と身体の状態を測定する、メガネ型ウェアラブルデバイス

「教育用家具（地域産材で作る自分で組み立てるつくえ）/ 株式会社内田洋行」奈良県吉野の木材関係者の有志が中心となって始まったプロジェクト。つくえは入学時に組み立て、卒業時には持って帰り、自立した家具になるようなつくりとなっている

また、会場では、2016年度にグッドデザイン賞の創設60周年を迎えることを記念し、これまでに受賞した歴代のプロダクト作品も並ぶ。

（左から）1980年に受賞したソニーのテーププレーヤー、1981年に受賞のオリンパスの35ミリレンズシャッターカメラ、1994年に受賞のソニーのプレイステーション

GOOD DESIGN Marunouchiでは、今後も企業や教育機関、各種団体などがデザインをテーマに集い、展示やセミナー、トークイベント、ワークショップなどを開催していく予定だという。良いデザインを身近に感じさせてくれるスペースに足を運んでみてはいかがだろうか。