2020年もあっという間に2月に入りました。JDN編集部は年始の忙しさは去りましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
今月も編集部おすすめのイベントをいくつかご紹介していきます!
世界のブックデザイン2018-19
印刷博物館で12月14日から3月29日まで開催中の「世界のブックデザイン2018-19」は、2019年3月に行われた「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書と、7カ国(日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国)のコンクール入賞図書を加えたおよそ170点が展示されている展覧会です。
会場では実物を手に取ることができ、世界最高峰のブックデザインと造本技術を間近で楽しめます。
会期中の3月7日には、日本で開催された第53回造本装幀コンクールの受賞者である、グラフィックデザイナーの藤田裕美さん、刈谷悠三さん、平林美咲さんが出演するトークショーも行われます。会場に行くと時を忘れて1冊1冊に見入ってしまうこと必至のため、時間に余裕を持ってお出かけください!
記憶の珍味 諏訪綾子展
資生堂ギャラリーでは、1月18日から3月22日まで「記憶の珍味 諏訪綾子展」が開催中。フードアーティストの諏訪綾子さんは、本能的な無意識の感覚に訴えることのできる表現媒体として「食」を扱い、体験者に新たな問いや発見をもたらすことを追求しています。
本展では、誰もが個人的にもっている記憶をテーマに、新たな「食」の表現に取り組んでいる諏訪さん。会場では、さまざまな香りから調合した数種類の「記憶の珍味」を来場者が実際にあじわうことで、自身の記憶を呼び起こす体験の場が設けられています。
会期:2020年1月18日(土)~2020年3月22日(日)
場所:資生堂ギャラリー
https://gallery.shiseido.com/jp/
JAGDAつながりの展覧会 Part 3 フレフレハンカチ
東京ミッドタウン・デザインハブにて、2月18日まで開催中の「JAGDAつながりの展覧会 Part 3 フレフレハンカチ」は、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が企画運営する展覧会。2018年からスタートした、デザインの“つなぐ力”を使って障害のあるアーティストとパラリンピアンを応援するもので、今回で3回目を迎えます。
本展では、障害のあるアーティストの作品をもとに、JAGDA会員のデザイナー172名がハンカチをデザインし、会場で展示・販売。ハンカチは一辺にスティックを挿して応援フラッグとしても使える「フレフレハンカチ」にもなります。Part 1ではマスキングテープ、Part 2ではタンブラーをモチーフに開催されました。
東京オリンピック・パラリンピックが行われる2020年。「フレフレハンカチ」は、東京ミッドタウン・デザインハブを皮切りに全国で展示・チャリティ販売されます。今回、デザイナーは職能を活かしたボランティアで参加しており、アーティストへの作品使用料や製造原価を除く販売収益は日本パラリンピアンズ協会に寄付されます。ぜひお気に入りの一枚を会場で見つけてみてください。
DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに
国立新美術館では、1月11日から2月16日まで文化庁主催の「DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに」が開催中。文化庁は、将来の日本の芸術界を支える人材を育成するための「新進芸術家海外研修制度(在研)」を1967年度から実施しており、半世紀が経過しました。そうした研修の成果発表の機会として1998年から開催されているのが、「DOMANI・明日展」です。今回で第22回目を迎えます。
本展は、「傷ついた風景の向こうに/ Landscapes in Our Age: Scarred and Reborn」をテーマに、国際的に知名度の高い作家から新進作家まで11名によるグループ展となっています。作家それぞれの「傷ついた風景」をつなぐことを通じて見える、傷ついても生き残り、再生する風景――「明日」を見据える企画展です。
蓮沼執太「OTHER “Someone’s public and private / Something’s public and private”」
void+では、音楽家の蓮沼執太さんによる「OTHER “Someone’s public and private / Something’s public and private”」が、2月1日から2月29日まで開催されています。
これまで、楽曲制作のほか映像やインスタレーションによる作品を発表してきた蓮沼さん。近年の展覧会では、特に人と人との関係性、人と人以外の関係性について考察を重ねてきました。本展は、ニューヨークの公園で多様な関係性のあり方を、作品を介して自由かつ能動的に体験する1日限りの展覧会として開催された「Someone’s public and private / Something’s public and private」を再構築したもの。
「Someone’s public and private / Something’s public and private」は、公園に蓮沼さんの体重分の水が入ったボトルと制作したインストラクションが置かれており、参加者はその指示をもとにボトルを自由に動かし、最後にはボトルを持って帰ることができ、参加するすべての人達も作品の一部になっていくというプロジェクト。
void+で開催される今回は、同展のアーカイブをまとめつつ、プロジェクトの記録映像や写真、音源、ボトルの位置を定点観測して作られたスコアのようなメモ、プロジェクトドキュメントなどについて、まるで空間を1つのキャンバスに見立てたかのように再構築した展示となります。
場所:void+
https://www.voidplus.jp/post/189841275958/shuta-hasunuma-someones-public-and-private
今月もブックデザイン、フードアートなどさまざまなイベントを紹介しました。気になったものがあればぜひ足を運んでみてください!来月もおすすめの展覧会をご紹介していきます。
タイトルデザイン:akira muracco 構成:石田織座(JDN)