2008年にスウェーデン人デザイナーDavid Ericssonが創業したVOID WATHCES。時間を伝えるだけでなく、創造や改善する駆動力となるような、刺激を与えるような腕時計となることを目指している。

デザイン哲学の核は、スウェーデンの伝統に強く根づいているシンプリシティ。目的に最適な素材を選びシンプルな形状で表現、ディティールに細心の注意を払い、品質面では決して妥協しないという。

ブランド名であるvoidは、天文学で無の空間のこと。一般的なvoidは40から500光年の直径があるそうで、その広大さは把握しようがない。常に存在するが見ることも触ることもできない、だが測ることはできる。これが時間のコンセプトとも似ている。

V02は、VOID WATHCESの最初の腕時計であるV01と同じケースを使った腕時計。ケースの上半分はステンレススチールで覆われていて、下半分はガラスで針などが見える。中心より下しか、通常の時計でいえば3時から9時までの部分しか見えないようになっている。

この変わった方法で、どのように時分を表示しているのだろうか。長針と短針は、コンパスのように中心から両方に伸びている。長針が分、短針が時を表すのは同じだ。それぞれの両端は白と赤で塗り分けられている。時字も対応するように白字と赤字。短針の場合、白が3時から6時を経由して9時までを示し、赤が9時から12時を経由して3時までを示す。

仕組みが分かれば、通常と同じクオーツの機構の上で、針を長くして先端を色分けし対応する時字を置いたのだな、と納得できるだろう。