黒川紀章設計の名建築「中銀カプセルタワービル」を3次元で保存するクラウドファンディングがスタート

黒川紀章設計の名建築「中銀カプセルタワービル」を3次元で保存するクラウドファンディングがスタート

2022年4月12日から解体がはじまった、黒川紀章設計の名建築「中銀カプセルタワービル」を3次元で保存するクラウドファンディングが開始している。本クラウドファンディングは、名建築を3次元データで保存する取り組み「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」のひとつで、主宰は建築や都市のデジタル化を推進してきたgluon(グルーオン)。

これまでにも建築の3Dデジタルアーカイブや、3Dデータを活用した施策づくりを行っているgluon。同プロジェクトでは、これまで空間のデジタル記述で培ってきた3次元計測技術を活用し、デジタルアーカイブとして新たな保存手法の構築と名建築の価値を継承していくことを目指している。

中銀カプセルタワーの記録は、ミリ単位で正確な距離を計測できるレーザースキャンのデータと、一眼レフカメラやドローンによって撮影した2万枚以上の写真データを組み合わせ、建物全体をスキャンすることで、実空間の情報をまるごと3次元データ化する。平面的な写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や立体的な構造を記録することで、建築形状を正確に把握し、デジタルアーカイブとして後世へ残していく。

今回のクラウドファンディングでは、3次元計測の費用やデータの制作費を集めるためのもので、8月9日まで支援を募っている。リターンには、活動内容を紹介するオンライントークセッションへの参加券、中銀カプセルのNFT、高密度・超解像度の3次元点群データの提供などが用意されている。そして、クラウドファンディングの支援者には、中銀カプセルタワービルをスマートフォンで見ることができるAR(拡張現実)も先行公開され、TwitterなどのSNSを中心にさまざまな場所で撮影された写真がハッシュタグ「#中銀カプセルタワービル AR」で投稿されている。

https://motion-gallery.net/projects/3dda-nakagin