nendoがマグロ漁船の内外装をデザイン。「陸上の安心感」でストレスを軽減

nendoがマグロ漁船の内外装をデザイン。「陸上の安心感」でストレスを軽減

デザインオフィス「nendo」が、宮城県気仙沼の臼福本店が操業する遠洋マグロはえ縄漁船「第一昭福丸」の内外装のデザインを手がけた。

重労働を伴いながら1ヶ月にもわたる洋上生活を送ることから、乗組員の心身ストレスが大きく、若手の離職率は5割を超えるという遠洋マグロはえ縄漁業。そこで、このストレスを少しでも軽減しながら、若手があこがれを持てるよう、同スタジオが新たに漁船のデザインを行なった。

キーワードになったのは、「直線」「不均質」「重量感」。外装デザインに直線的なパターンを施すことで、船が本来もつ美しい曲線のフォルムを強調。直線は内装デザインにも利用されており、ビルやスマートフォン、テレビ画面など、陸上生活で身のまわりにあるものを想起させることで安心感につなげている。また、グラフィックパターンなどをランダムに配置し、不均質にすることで飽きさせない工夫をしたほか、テーブルの天板を厚めにしたり、切り株状のスツールを設置するなど、洋上の浮遊状態を意識させないよう、インテリアに重量感を取り入れている。

さらに、国内のマグロ漁船では初となるWi-Fiを完備し、一人当たりの専有面積を拡大するなど、乗組員の身体的・心理的負担の軽減に配慮する機能的な改善も行われている。

http://www.nendo.jp/jp/works/shofukumaru/