2020年夏に金沢市に移転・開館する国立工芸館のロゴタイプ決定。制作はUMA design farm

2020年夏に金沢市に移転・開館する国立工芸館のロゴタイプ決定。制作はUMA design farm

東京国立近代美術館工芸館は、2020年夏の石川県金沢市への移転・開館に伴い、通称となる「国立工芸館」のロゴタイプを決定した。制作は、原田祐馬が代表を務めるデザインスタジオ、UMA design farm。

原田氏はロゴタイプの制作について、「工」という漢字に着目し、人類学者・竹村真一の著作『宇宙樹』のなかの「工芸や人工の“工”という字は、もともと二本の横棒で表現された『天』と『地』を結びつける『人』の営みを表していた」という記述に感銘を受けたという。以下、コメントを抜粋する。

「工芸作品をよくみていくと、作者がこのようなものをつくりたいという意思が、手の反復する動きによってかたちづくられていることに気づきます。また、その反復から生まれたものを自立させる重力を感じることができます。そういった観点から「工芸」らしい字形をつくることができないか試行錯誤し、上下のラインを支える中心の線に重心を感じるエレメントをつけ、シンプルさの中に力強さとしなやかさをもたせました。

私たちがここで導き出したことは、わかりやすくデザインされたものではなく、ものを人間がつくるという儚さや尊さが感じられるところをデザインしたいということでした」。

同ロゴタイプは、国立工芸館のサインとして活用されるほか、ポスターやチラシ、封筒、ホームページなどで活用される。なお、移転先のエントランス正面の中庭には、陶芸家・金子潤の大型作品「Untitled(13 09 04)」(2013年)が設置される。同作品は、アメリカ・オマハの金子スタジオで制作された高さ3mを超える「ダンゴ」シリーズの一つ。

https://www.momat.go.jp/