色に対する細かいこだわりを発揮できる、デザイナーモニター
――普段のお仕事ではどんなツールを使っていますか?
仕事場ではMacBook Proとペンタブ、モニターを使っています。撮影現場ではiPadを使うこともありますね。いま使っているMacは容量も大きいので、データはMacのハードディスクに置いておきつつ、Dropboxでバックアップしています。もともと機械には疎かったんですが、同じ時期に独立した友達がいて、情報交換しながらツールをそろえていきました。
配線がごちゃごちゃしているのが好きではないため、そのあたりの見え方や便利さを考えてくれているのも嬉しいなと思いました。私はいま東京と福井で二拠点生活をしているのですが、外出する際にケーブル1本だけ外せばさくっとPCを持ち出せることも細かいポイントだけどありがたいです。
――今回、デザイナーモニター「PD2725U」を使ってみてどんな感想を持ちましたか?
立ち上げた瞬間に色の鮮やかさにハッとして少し感動しました。普段はMacで色を調整していましたが、このモニターならまったく問題ないと思いました。それまで使っていたモニターと比べると歴然の差で、頭の中で考えた、表現したかった色が再現されていたのが印象に残っています。
――ドラマなど制作物の色のチェックは、スタッフ全員でおこなうのですか?
ドラマのポスターは印刷されるので、TV局で色校をクライアントやカメラマンと一緒に確認することが多いですね。やっぱり画面と実際の紙では全然違うので。ほかにも電飾掲示版用のものは透明のフィルターに出力したものをトレース台でチェックしたりしています。CDジャケットも含めて、印刷されて紙になる色の調整は難しいと感じます。
ちょっと使ったら慣れてきますが、はじめて使うモニターの場合はそのモニターの色味に引っ張られる感覚がありました。でも「PD2725U」は細かく調整できますしすんなり使えたので違和感がなかったです。
私の作品は色も多いし、色の組合せも複雑なのが特徴だと思っています。例えばTBSドラマ「西園寺さんは家事をしない」のポスタービジュアルは、ピンク、黄色、水色という組み合わせでした。
実は色にはけっこうこだわりがあり、特にピンクはマゼンタだけでは安っぽくなりがちなので、少し黄色が混ざっていてほしいんです。黄色が混ざると大人っぽくなるというか、落ち着いた印象に見えて。ブルーにもちょっとだけ黒を混ぜるけど、黄色はそのままにした方が綺麗だったりすると思っています。
――その色彩感覚は昔からですか?
思い返すと、小さい時から絵を描くことが好きで、好きなアイドルの衣装の絵などを描いていたことが影響しているかもしれません。高校生の時に学校の美術コースに通っていて、そこで雑誌の切り抜きをそのまま模写するという課題がありました。
複雑なテキスタイルの洋服を着たモデルの写真を、鉛筆で模写して絵の具で着色したのですが、色の抽出が完璧にできていると褒められました。デッサンは全然できませんが、その時に自分が色を使うのが得意なんだと気付かせてもらいました。
――色に対するこだわりがある永瀬さんにとって、このモニターはぴったりですね。いままで使っていたモニターと比べて、どんなところが違うと思いますか?
抽象的な表現ですが、クリアで瑞々しい感じがします。PCのモニターってちょっとチリチリとした見え方になるものも多いと思いますが、これは4Kモニターなのでクリアですごく鮮明です。そこは大きな違いですね。
それにType-Cで充電もディスプレイ接続もできるから、ケーブル一本を抜き差しするだけで移動できるのも便利ですね。家と事務所とで移動することが多いので、これ1本つなげばいいというのは本当に楽です。まだ使いこなせていませんが、ホットキーパックで手元で彩度や明度を調整できるのも新鮮です。
――ホットキーパックは音量や輝度など、自分がよく使う機能をカスタマイズして割り当てることも可能なんですよ。「PD2725U」はプロダクトのデザインにもこだわっていますが、見た目に対してはどんな印象をお持ちですか?
デスクまわりが機械が並んでるメカメカしい感じになってしまうのが嫌なんですが、このモニターはスッキリしたデザインで、台座の部分も広く、 自分が好きなタコのグッズなどもいろいろと置けそうです(笑)。私は道具を長く使うほうなので、このモニターもこれから長く愛用できそうです。
――最後に、今後、永瀬さんが手がけたい仕事はありますか?
引き続きドラマのお仕事はやっていきたいです。サスペンスドラマのビジュアルなどもやってみたいなと思っています。
あとは地方での仕事も増やしていきたいです。今年は福井との二拠点生活を始めたり、実はこの夏に秋田の竿燈まつりに参加させてもらいました。東北三大祭りのひとつと言われていますが、ねぶた祭りなどに比べるとまだまだ知られてないから、竿燈まつりを盛り上げるようなことなどがデザインの力でできたらいいなと思っています。
私は東京育ちということもあり、地方のことを知ったり行けたりするのが楽しいですし、地域の人たちと一緒にその場所を盛り上げていけるデザインができるようになりたいなと思っています。基本的には現場がなければどこでもできる仕事なので、東京以外の場所にも足を広げていきたいですね。
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文:井上倫子 写真:取材・加藤雄太 編集:石田織座(JDN)
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