使いやすさを追求した、細やかな気遣いを感じるモニター
――最初に電源を入れたときの印象などはいかがでしたか?
輝度が最大に設定されているのもあったのかもしれませんが、電源を入れたときの第一印象は、「とにかく明るい!」と感じました。これまではAppleのモニターしか使ったことがなかったのも、そういった印象を受けた理由かもしれません。

――ちなみに、普段お仕事されるときの作業ツールはマウスですか?
普段使いも出張のときなども、ワコムのペンタブを使って作業しています。マウスを使うデザイナーが多いかもしれませんが、僕は大学生のときにトラックパッドで作業していましたし、就職した先で使用していたこともあり、ペンタブしか使えないんですよね。
――実際に使用されてみて、作業効率の面で何か感じたことはありましたか?
作業中はツールを画面上にある程度出しておきたいタイプなので、普段は2面使いをしていて、サブモニターの方にツールを全部出しているんです。でも、「PD2730S」の場合はモニターの横幅が広いので、ツールをすべてここに出して作業できたのが効率的でよかったですね。だから今はデュアルモードにしているのですが、ミラーリングにして使ってもいいのかもしれません。
SDカード類やUSBなどの接続ポートも、背面にあるのは作業効率的にあまりよくないと以前から感じていたので、モニターの下部に挿せるようになっているのがすごくいいなと感じました。

これは作業効率とは少し違いますが、モニター表面のコーティングが光沢を抑えたノングレアになっている点も、個人的には作業がしやすかったです。基本的にモニターって発光していて、映り込みや反射が気になる場合が多いと思うんですよね。
僕が今使っているラップトップも反射が気になるのですが、これはノングレアでその点をあまり意識させないので、作業時のストレスがなく、長時間使用しても目に優しい気がしました。
モニター間の色味を手軽に調整できるキャリブレーション機能
――「PD2730S」にはキャリブレーション機能も追加されましたが、キャリブレーションをやってみた感触についても教えてください。
「Display ColorTalk」でキャリブレーションを実施してみたんですが、キャリブレーターがなくても2台のモニターの色味を見た目で合わせるだけなので、やり方は簡単でした。色校を見ているような感覚で、作業していておもしろかったですね。
――普段からキャリブレーションはされていますか?
モニターを購入しときに最初に行いますが、それ以降はなかなかやっていないですね。でもヒストグラムとRGBの数値情報は必ず見ながら、カラーバランスを確認しています。見た目の印象はなんとなく違ったとしても、数値はどの環境で見ても同じはずなので信用できるなと思っています。

――そうした情報をきちんと確認した上で作業されているんですね。
僕の場合は、以前勤めていた会社で数値をいつも確認するよう言われ、それ以来「情報」などのウィンドウを常に出して確認しながら作業を進めています。
でもおかげでこれを見るようになってから、色校に対してのアプローチなどもより明確になりましたね。
――普段作業される中で、キャリブレーションの重要性は感じますか?
そうですね。特に最初に入社したソニー・ミュージックコミュニケーションズは厳密で、一定周期でモニターとプリンターのキャリブレーションをとるというのを欠かしませんでした。キャリブレーションをとっていればモニターを信頼できるので、より正確性のあるワークフローを求める意味でも重要だと思います。
――あとは、Macのディスプレイの色味を外部モニターで忠実に再現する「M-bookモード」というカラーモード機能もあるのですが、こちらは使ってみましたか?
使ってみました。最初は「M-bookモード」があることに気付かず、「Display ColorTalk」でモニターを見ながらキャリブレーションをしたんです。あちこち触っていたときに気付いたのですが、「M-bookモード」の機能にもっと早く気付いていれば、最初からある程度色味が合っていて楽だったかもしれないですね(笑)。
しかも、モニター下部のボタン一つで切り替えられるのも、とても便利だと思いました。こういうのはアップルのモニターにはないので、わかりやすくていいですね。
――そのほかに、松田さんがいいなと感じたポイントなどはありましたか?
モニターを手動で上下に昇降できるのがよかったです。頻繁に使う機能ではないと思うんですが、モニターを90°回転させて縦にもできるんですよね。いろいろな状況を想定してつくられているんだなと思って、個人的にはすごく未来を感じました(笑)。

プレゼンテーションの場面で5Kを最大限に活用
――「PD2730S」はBenQ初の5K解像度ということで、お仕事の中で5Kモニターを最大限に活用するとしたら、どんな場面がおすすめだと思いますか?
僕が使っていて感じたのは、プレゼンテーションの場面ですね。オンラインではなく、リアルで開催したときにこのモニターで見せると、説得力のアップにつながるのではないかと思いました。
今やスマホで資料を確認する人も多い中で、どんなに緻密なことをやってもスマホだとなかなか伝わらないですよね。でもやっぱりいいモニターで見ると、ダイナミズムを表現できると思うんです。だからプレゼンテーションをするときに、会社がこのモニターを積極的に導入するのはとてもいいんじゃないかと思いました。

――プレゼンテーションは新たな視点ですね。たしかに今は業務の場面でもスマホで確認する人がずいぶん増えましたね。
そうですね。一般的に考えても、パソコンの所持率よりスマホの所持率のほうが高いので、エンドユーザーのことを考えると、本当はスマホにいろいろな適性を合わせたほうがいいくらいなんですよね。
でも、プレゼンテーションの場面ってやっぱり特別というか、その瞬間は日常から切り離したい感覚ってありますよね。映画館で映画を見るような感覚というか。人をエンターテインするためのツールとして新しい価値が付加されるなら、それはすごく大事なことだと思います。「PD2730S」は、そういった場面に応えてくれそうな心強いモニターだなと、今回使っていて感じました。
文:開洋美 写真:寺島由里佳 編集:石田織座(JDN)
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