ヴォルス-路上から宇宙へ

ヴォルス(1913-1951)は、音楽と詩に親しみ、独学で絵を描くようになった稀有な芸術家である。第一次大戦後のドイツに育ちフランスに移り住み、1930年代にまず写真家として認められた。まぶたを閉じた人物、調理前の生々しい食材などにカメラを向け、強い凝視力の写真作品を残している。
10代から水彩画、ドローイングを制作していたヴォルスは、ドイツとフランスの戦争が始まると収容所を転々とせざるをえず、そこで描くことに没頭した。目を閉じているうちにイメージをつかんだといわれる、蜘蛛の糸のような描線と澄んだ色彩は、ヴォルス独自の魅力を放っている。
ヴォルスの死の直後から「アンフォルメル」動向の先駆として、注目され評価を受ける。日本でも1950年代にアンフォルメルの作家として紹介され、1964年に東京・南画廊で初めてのヴォルスの個展が開かれている。その際、瀧口修造らが文章を寄せたカタログと画集が出版され、ヴォルスの作品が多くの人の心をつかんだ。
近年は展覧の機会が少ないヴォルスだが、DIC川村記念美術館では彼の油彩、水彩、銅版画にわたる充実したコレクションを所蔵している。本展は、これらを中心に写真作品も含めた120点でその深い作品世界を一望し、ヴォルス再評価の契機とする。
【関連イベント】
●講演会 1
「さすらいのなかで-ヴォルスの生涯と作品」
講師:千葉成夫(美術評論家、本展監修者)
日時:4月15日(土) 13:30~15:00(13:00開場)
場所:レクチャールーム
定員:50名
※予約不要、入館料のみ
※その他の関連イベントは、詳細URLをご覧ください
開催期間 |
2017/04/01(土)~2017/07/02(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 9:30~17:00(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 一般1,300円/学生・65歳以上1,100円/小中学生・高校生600円 |
参加アーティスト | ヴォルス |
会場 |
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会場電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
会場URL | http://kawamura-museum.dic.co.jp/ |
詳細URL | http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/next.html |