共同企画展「Stone Letter Project #6 Lost in Translation」

共同企画展「Stone Letter Project #6 Lost in Translation」

愛知の名古屋芸術大学大学内にあるArt & Design Centerにて、Lighter but Heavier(LbH)との共同企画展「Stone Letter Project #6 Lost in Translation」を2023年5月6日から16日まで開催します。

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1798年にリトグラフを発明したアロイス・ゼネフェルダーはその後1818年には『石版全書』を出版し、石版印刷術を世界に広めることに尽力しました。その理由は彼のビジネス的観点からでもあるのですが、それ故に技術を正確に伝えることに努めたといえます。ゼネフェルダーの試行錯誤の末に発明された石版印刷には、正確な技術を記した『石版全書』という原典があることで技術が正しく伝播し、のちに産業印刷の主軸となりました。

日本に本格的に石版印刷術が広がった明治時代にも多くの技法書、石版印刷業指南書が出版されています。それをもとに職人から職人へと技篇が伝承されたことが容易に想像ができます。産業印刷として発達した石版印刷はその後も多くの技法が開発され、およそ110~70年ほど前に金属版を使用したオフセット印刷に移行し現代に至ります。

石版印刷工場の中で職人が培ってきた特別な技篇は役目を終えたその時点で伝承されることなくやがて消えていきました。今回展示する京都市立芸術大学所蔵のおよそ100年前の、おもにタバコのラベル印刷に使用された石版の表面にも、その役目を終えた瞬間がそのまま固定化されており、現代のリトグラフの技法では使われていない技法をたくさん見つけることができます。

今回のStone Letter Project #6では、「Lost in Translation」というタイトルを掲げました。伝えるうちに欠落していく情報、伝えたくともうまく伝わらない、というところが直訳に近いところでしょう。これはLbHの活動のなかでいつもつきまとう問題であり、実感でした。

リトグラフという技法の説明のし辛さ、明快に言えない表現としての特徴、リトグラフを語るときに感じるこの歯切れの悪さは何に由来するものなのか。この伝わらないことへの違和感があったからこそ、LbHは多くの作家や学生とコラポレーションやワークショップにおいても「すべてを知るもの」としてではなく「共に考えるもの」としておこない、そこで得たことを不完全であっても次に伝えることを運動のように重ねてきたのだと思います。

このStone Letter Project #6でも「Lost in Translation」を自覚しながら、石版に初めて触れる方々の驚きや感想を共有し、なお伝えることを懸命におこなう展覧会を目指します。(Lighter but Heavier)

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《本文は公式サイト紹介文より抜粋/一部編集》

開催期間 2023/05/06(土)~2023/05/16(火)
※イベント会期は終了しました
時間 12:15~18:00
休館日 会期中無休
入場料 無料
会場
  • 名古屋芸術大学 Art & Design Center West
  • 愛知県北名古屋市徳重西沼65 B棟1F
会場電話番号 0568-24-0325
会場URL https://www.nua.ac.jp/center/artdesign/
詳細URL https://www.nua.ac.jp/event/detail/202356516_stone_letter_project_6_lost_in_translationart_design_center_west.html