Shizubi Project 6「彼方へ」國府理×林勇気×宮永亮

國府理 《Sailing Bike》 2005年 オートバイ部品、セイル、FRPほか 國府理 《Sailing Bike》 2005年 オートバイ部品、セイル、FRPほか

多くの人が行きかうエントランスホールの開放的な空間で、現代のさまざまな美術の姿を紹介してきた「Shizubi Project」。第6回は、「彼方へ」と題して、國府理、林勇気、宮永亮の作品を展示する。

「私が乗り物を作りたかったのは、それを手に入れれば、どこかへ行けると思ったから」。プロペラをつけた自転車や、帆をはって風で進む自動車など、「KOKUFUMOBIL」として、自身の夢の乗り物を独自の設計思想と自らの手で生みだした國府理。“ここではない何処か”へ、乗り物としての機能に想像力をプラスして走らせる國府作品は、世界の中で本当に考え、自由であることを私たちに呼びかけ続けている。

林勇気の映像作品「もう一つの世界」は、ネット上から膨大な画像を切り抜いて浮遊させ、私たちをとりまくデジタル世界を鮮やかに可視化した。3Dプリンタの登場などデータが直接物質化される時代に、画像やデータ、物質とは何かということを、私たちに優れて感覚的に体験させる。

宮永亮は各地に出かけ撮影した都市や田園の映像を、さまざまなレイヤー(層)として重ね編集する。ときに疾走し、ときにゆったりと流れる時間を映し出した映像は、優れたロードムービーの持つ世界の手触りが複雑に多層化され、固有の場所性を離れて、“どこでもない場所へと飛躍する”ような感覚を見るものに強く与える。

彼方は、世界の彼方であり、メディア(デジタル世界)の彼方でもある。それは、心の彼方かもしれない。世界が隅々まで探索され、急速に映像化される時代に、私たちはいつにも増して彼方を必要としているのではないだろうか。3人の作品は、私たちをそんな彼方に誘ってくれる。

【会場・会期】
(1)エントランスホール・多目的室:3月28日(火)~6月18日(日)
(2)展示室:6月4日(日)~18日(日)

※関連イベントは詳細URLをご覧ください。

開催期間 2017/03/28(火)~2017/06/18(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~19:00
休館日 月曜日(ただし、5/1は臨時開館)
入場料 無料
参加アーティスト 國府理、林勇気、宮永亮
会場
  • 静岡市美術館
  • 静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3F
会場電話番号 054-273-1515
会場URL http://shizubi.jp/
詳細URL http://shizubi.jp/event/_shizubi_project6_kokufumobil_20143d.php