東京・品川にあるKOSAKU KANECHIKAで、桑田卓郎展「Iʼm Home, Tea Bowl」が開催される。

ニューヨーク、ロンドン、ブリュッセルなど世界各地で個展を開催する桑田卓郎。彼の作品が世界中で鑑賞者を魅了するのは、その圧倒的なオリジナリティが純粋な驚き、楽しさ、観ることによる自由と喜びを与えるからだ。ビビッド、またメタリックな配色、そして一度見ると忘れられない、梅花皮（かいらぎ）や石爆（いしはぜ）といった陶芸の技術にもとづきながらも、極めて独特の素材における表現をする。

それらがつくり出す桑田の独自の視覚言語は、カテゴリーを超えて評価され、またそれと呼応するように、桑田自身の制作のスケールも大きくなっている。2015年に草月会館で発表した大型彫刻作品のシリーズは、2016年にロンドンのAlison Jacques Galleryで、そして同じくロンドンのFrieze Sculpture 2017でも展示された。

ファインアートだけでなく、デザイン、ファッション、ダンスなどからもインスピレーションを受けているという桑田は、さまざまな分野のクリエイターにも同様にインスピレーションを与えている。それが可能なのは、彼の制作が陶芸の伝統にしっかりともとづいているだけでなく、素材との徹底的な対話や、変化の激しいこの現代に何を表現するのか、ということをより重要視していることにある。その桑田の姿勢こそが、インターナショナルな美術の世界で評価される作品を生み出しているのだ。本展では、新作の茶碗や彫刻作品が約30点展示される。