草間彌生 「INFINITY – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」

大阪のエスパス ルイ・ヴィトン大阪にて、「草間彌生 『INFINITY – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION』」が2026年1月12日まで開催しています。
—以下、公式サイトの紹介文を抜粋—
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催に合わせ、エスパス ルイ・ヴィトン大阪では、日本を代表するアーティスト 草間彌生の展覧会「INFINITY- SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」を開催いたします。国際的なアートシーンに登場した初期の作品から近年の作品にいたるまで、長い年月に及ぶ作品群を紹介する本展では、彼女の幅広い創作活動を示すにとどまらず、1960年代初頭のニューヨーク時代から現在まで一貫して創作を導いてきた主題のつながりを照らし出します。
本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにてフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを公開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として行うもので、国際的なプロジェクトを通じて、世界各地のより多くの観客に作品を届けるというフォンダシオンの理念に基づいています。
草間彌生は、変幻自在な表現と強迫的な反復や増殖を特徴とする、極めて多作なアーティストです。画家、彫刻家、パフォーマンス・アーティスト、小説家、ファッションデザイナーとして、キャリアのあらゆる段階で並外れた創造的エネルギーを発揮してきました。本展の作品からは、彼女の創作の軌跡が日本およびアメリカの美術史における主要な潮流といかに関わってきたかが見えてきます。草間はこうした潮流に対峙し、時には寄り添いながら、独自の創作活動を展開してきました。草間の創作活動はポップアートやミニマリズムと呼応し合い、またそれらにインスピレーションを与える形で展開されてきましたが、彼女の本質的な強さは極めて私的な作品が映し出し続けてきた圧倒的な独自性にあります。本展における最も新しい作品でも、その独自性は健在です。
1929年に長野県松本市で生まれ、1973年から東京を拠点とする草間彌生は、種苗業を営む実家で、植物に囲まれて幼少期を過ごしました。10歳頃には、すでに絵を描きはじめていた彼女を襲ったのは、初めての幻覚体験でした。実家の室内が花柄に覆い尽くされ、やがて自分自身も呑み込まれてしまう──そんな幻覚が現れたのです。こうした幼少期の記憶が彼女独自の世界観を築き上げ、そこから生まれる精神的な葛藤が、今日まで草間の芸術を突き動かし続けています。
「自己治療(セルフセラピー)」と彼女が呼ぶ制作過程において、強迫的に反復されるモチーフは重要な表現手法となっており、本展で紹介する作品群にもこの特徴が色濃く反映されています。1960年代の「無限の網」や「ドッツ」シリーズは、近年の作品では星、細胞、純粋な抽象を想わせる浮遊する形態へと展開を見せています。キャリアを通じて一貫しているのは、この技法によって自らの恐れと強迫観念に形を与えるという姿勢です。
これらのモチーフに込められているのは、草間の根底にある哲学です。展覧会のハイライトとなる《無限の鏡の間―ファルスの原野(または フロアー・ショー)》(1965年 / 2013年)は、彼女が手掛けた数多くの「無限の鏡の間」の第1作であり、来場者を果てしなく続く水玉の世界へと誘い、方向感覚を失うほどの没入体験をもたらします。この象徴的な作品では、《毎日愛について祈っている》(2023年)に込められた詩的な想いや反復的な絵画制作と同じように、幻覚的なビジョンと宇宙における個人の居場所についての哲学を表現しています。
草間は「水玉」と「無限の網」による多様な技法を駆使しながら、鑑賞者に無限について考えるよう促し、彼女が「自己消滅」と呼ぶ過程において視覚的な没入へと誘います。こうして彼女は、自我を手放して自分たちを包み込む空間と1つになるよう私たちを導いているのです。
開催期間 | 2025/07/16(水)~2026/01/12(月) |
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時間 | 12:00~20:00 |
休館日 | ルイ・ヴィトンメゾン 大阪御堂筋に準じる |
入場料 | 無料 |
参加アーティスト | 草間彌生 |
会場 |
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会場URL | https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ |
詳細URL | https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/osaka/detail |